災害により被害を受けた際の税制上の救済措置
峯 良輔
税務・会計災害によって被害を受けた方々に対して国は様々な支援を行っています。
税制の面では以下のような制度を設けることで被災者の方々への救済措置をとっています。
1.災害により申告・納税等がその期限までにできないときは、所轄税務署長に申請をし、承認を受けることによって、その理由のやんだ日から2か月以内の範囲でその期限の延長ができます。
2.災害により、財産に相当な損失を受けた場合は、所轄税務署長に申請をし、承認を受けることによって、納税の猶予を受けることができます。
3.災害により、住宅や家財などに損害を受けたときは、確定申告で「所得税法に定める雑損控除の方法」か「災害減免法に定める税金の軽減免除による方法」のどちらか有利な方法を選ぶことによって、所得税の全部又は一部を軽減することができます。
4.災害により被害を受けた事業者が、当該被害を受けたことにより、災害等の生じた日の属する課税期間等について、消費税の簡易課税制度の適用を受けることが必要となった場合、又は適用を受けることの必要がなくなった場合には、所轄税務署長に申請しその承認を受けることにより、災害等の生じた日の属する課税期間から消費税の簡易課税制度の適用を受けること、又は適用をやめることができます(災害によって事務処理能力が低下したため、一般課税から簡易課税への変更が必要になった場合や、棚卸資産その他業務用の資産に相当な損害を受け、緊急な設備投資を行うため、簡易課税から一般課税への変更が必要になった場合などに適用されます)。
この制度が適用となるような事態にはなって欲しくはありませんが、万が一そのような事態になった場合は上記制度を有効に活用しましょう。
コンサルティング部 1課 マネージャ
著者紹介
- 税務会計コンサルティング部 次長
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