平成24年度 脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況
森 𠮷隆
人事労務厚生労働省が平成25年6月21日に発表した内容によると、脳・心臓疾患の労災認定件数は338件増加、精神障害の労災認定件数が475件で前年比150件増加となり、3年連続で過去最高を更新しました。
前者は過重労働が原因と認定され、発症前の法定時間外の勤務時間が労災認定の判断材料の重要な目安となります。
後者は仕事による強いストレス等が原因で認定されますが、そのうち59件が長時間勤務を含む「仕事の内容、量の変化」を発症のきっかけとする認定となっています。
ちなみに厚生労働省の「過重労働による健康障害のための総合対策」では、過重労働による脳・心臓疾患の認定と法定時間外の勤務時間数の関連性は以下とされています。
①発症前1ヶ月間ないし6ヵ月間にわたって法定時間外1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いと判断されるがおおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まるものと判断される。
②発症前1か月間におおむね100時間を超える時間外労働が認められる場合又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと判断される。
過労死等が社会問題化している現在、労働時間管理はますます重要性を帯びてくると思われます。従業員の中で、残業等就業時間が過多になっている者はいないか、定期的にチェックする等が必要であり、今後の労働時間削減の対策も求められるでしょう。
経営コンサルティング部 人事労務支援課 特定社会保険労務士
著者紹介
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人事コンサルティング部 労務コンサル課 シニアコンサルタント
(特定社会保険労務士)
「WOWOW映画王選手権」2001年、2002年本戦連続優勝、2011年本選準決勝進出、2013年本戦準々決勝進出。2012年「スカパー!映画クイズ選手権」本選優勝。映画検定1級(2014年は首席合格)。
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