【介護保険あれこれ】地域ケア会議について
長 幸美
アドバイザリー高齢者が住み慣れた地域でできる限り継続して生活をおくれるように支えるためには、個々の高齢者の状況やその変化に応じて、適切なサービス、多様な支援を提供することが必要です。そのためには、「自助」努力を基本にしながら、地域のお互い様の関係である「互助」を利用しつつ、介護保険を中心に、保健・福祉・医療の専⾨職相互の連携、さらにはボランティア等の住⺠活動などインフォーマルな活動を含めた、地域の様々な資源を統合、ネットワーク化し、高齢者を継続的かつ包括的にケアする必要があるとされています。
これらの「点(事業者単体)」でのサービスや医療と介護などの「線(ライン)」でのサービスを、「面(地域)」として捉えたものが「地域包括ケアシステム」であるとも考えられます。「地域ケア会議」はこの地域包括ケアシステムの実現のための有効なツールであると位置づけられています。
(出典:厚生労働省平成26年10月8日「介護保険制度の改正と地域ケア会議の位置づけについて」p.15)
「地域ケア会議」の主体は、地域包括支援センター及び市町村です。
≪地域ケア会議の目的≫
・個別ケース(困難事例等)の支援内容を通じて、多職種協働によるケアマネジメント支援を行うとともに、地域のネットワーク構築につなげるなど、実効性あるものとして定着・普及させる。
①地域支援ネットワークの構築
②高齢者の自立支援に資するケアマネジメント支援
③地域課題の把握
≪主な構成員≫
自治体職員、地域包括支援センター職員、ケアマネジャー、介護事業者、民生委員、
医師、歯科医師、薬剤師、看護師、管理栄養士、セラピスト(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)、歯科衛生士、その他必要に応じて参加
※直接サービス提供に当たらない専門職種も参加
この「地域ケア会議」を運営するうえで地域包括支援センターにおいては、個別ケースの検討を始点として、地域課題の抽出、地域課題の提出までの一連の流れを円滑に進めるコーディネーターとしての役割が求められています。
また、行政側の担当所管へ、地域ケア会議の中で抽出された問題や地域の中で起きている課題をまとめ(既存の社会資源では 解決が困難な事例、地域に不足する資源・サービス・ネットワーク等)担当所管や「地域ケア推進会議」への情報提供と調整等を行う事も必要です。
これから「地域包括ケアシステム」を構築して行く中で、地域ケア会議やケアマネージャーを始めとする医療機関や介護事業者が地域・行政とどのように繋がっていくのかが大きな課題となる事が予測できます。
(出典:「市町村介護予防強化推進事業(予防モデル事業) を通して見えてきた自立支援の姿」より 地域ケア会議運営マニュアルp.6)
参考までに、一般財団法人長寿社会開発センターが2013年3月に出している「地域ケア会議運営マニュアル」を添付します。
「地域ケア会議運営マニュアル(2013年3月)」一般財団法人 長寿社会開発センター
(クリックするとPDFが開きます)
経営コンサルティング部
経営支援課
著者紹介
- 医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント
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