国民生活基礎調査の結果から
楢橋 信一
その他7月に厚生労働省から「平成26年 国民生活基礎調査」の結果が公表されました。
この調査は、保健、医療、福祉、年金、所得などの国民生活の基礎的な事項を調査し、その結果を厚生労働行政の企画、立案、運営のための基礎資料とするために行われているものです。
それによりますと、生活意識について「やや苦しい」もしくは「大変苦しい」と答えた世帯は62.4%で、前年の59.9%を上回る結果となり、生活に厳しさを感じている世帯が増加している傾向が見られました。ちなみに、回答内容は多い順に、「普通」34.0%、「やや苦しい」32.7%、「大変苦しい」29.7%、「ややゆとりがある」3.2%、「大変ゆとりがある」0.4%となっております。
世帯の状況については、65歳以上の人のみか、65歳以上の人と18歳未満の未婚の人で構成する「高齢者世帯」の割合が、前年の23.2%から24.2%に増加する一方で、「児童(18歳未満の未婚の人)のいる世帯」は前年の24.1%から22.6%に減少しております。また、児童のいる世帯の「平均児童数」も前年の1.70人から1.69人に減少し、少子高齢化の実態を表した結果が出ております。次に所得の状況(平成25年1月~12月の所得)については、1世帯あたりの「平均所得金額」が、前年の537万2千円から528万9千円と減少しております。
ちなみに、「平成17年調査」の所得は、580万4千円でしたので、この10年近くの間に50万円以上減少しております。諸般の経済情勢・環境の変化が大きな減少要因であることに疑いはないと思いますが、同時に生産年齢人口が減少していることも看過できない要因と考えられます。
今後、ますます進む「少子高齢化」。これまでに人類が経験したことのない大きな課題に、私たちは直面しております。行政や立法が考える施策もさることながら、私たち個人レベルでもチャレンジできることがあるように思います。厚生労働省のホームページ内に調査結果が開示されておりますので、一度ご覧になられてはいかがでしょうか。
税務会計コンサルティング部 次長
著者紹介
- 総務部 部長
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