遺言控除の創設提案へ
株式会社 佐々木総研
税務・会計政府・与党が、有効な遺言による相続を条件に、一定額を相続税の基礎控除額に上乗せして控除する「遺言控除」を新設する方針を固めました。遺言を普及させて遺産相続をめぐる紛争を抑止し若い世代へのスムーズな資産移転を図るほか、介護等による貢献に見合った遺産相続の促進が狙いとされています。
相続税は遺産総額から基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)という税金のかからない部分を差し引いた上で税率をかけて算出されます。よって、この遺言控除が新設されれば税金のかからない部分が増えることになり相続税が減少するでしょう。
近年、遺言書は増加傾向にありますが、相続税の課税対象のうち遺言を残した案件は2~3割とまだまだ低い水準にあります。「どのくらいの優遇幅になるのか」「自筆証書遺言、公正証書遺言どちらもこの控除を受けられるのか」など具体的な制度設計は今後議論され、早ければ平成28年度税制改正に盛り込まれるとのことです。
遺言書を書くことで相続人間の紛争を抑止でき、さらに節税となるこの制度の行方が気になるところです。
税務会計1課
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