膨らむ法定福利費
石井 洋
人事労務近時、社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)や労働保険料(雇用保険・労災保険)といったいわゆる法定福利費の増加が会社経営にとって非常に大きな課題となりつつあります。つい先日も毎年の法定福利費の上昇で人件費比率が上昇しているというお話をお聞きしたばかりで、今後も増え続ける事が想定される法定福利費とどう付き合っていくかは今後無視できない問題であることは間違いありません。
具体的に申し上げると、厚生年金保険料は平成29年9月まで毎年0.177%(会社負担分)ずつ引き上げられる事が確定しており、協会けんぽも厳しい財政状況から来年以降も健康保険料が引き上げられる可能性が非常に高いため、特にある程度会社規模が大きい場合は保険料の増加をふまえながら昇給・賞与も含めた人件費を考えていく事が必要不可欠だと言えます。
そういった背景もあり、人件費を総額で管理する、売上に比例して給与や報酬を変えるといった考え方が出てくるわけですが、まずは社会保険や労働保険の仕組みをある程度理解し、例えば、
①社会保険に加入する必要がない労働時間の範囲内で働くパートの方を出来る限り活用する
②年に1度の社会保険料改定で用いる4月~6月の給与の増加を出来る限り抑える
③業務の繁忙にあわせて変形労働時間を採用し、時間外労働を削減する
など、問題ない範囲で社会保険料の節減を検討しながら保険料率の変更に備えて頂ければと思います。
人事労務支援課 社会保険労務士
著者紹介
- 人事コンサルティング部 部長
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