平成２５年４月より高年齢者雇用安定法が改正されます

森　𠮷隆

2013.01.21 人事労務

平成25年4月1日より、高年齢者等の雇用に関する法律、いわゆる高年齢者雇用安定法が一部改正されます。この改正の主な内容は、従業員が希望すれば65歳まで雇用する制度の導入が事業主に義務付けられることです。つまり、従業員が60歳で定年を迎えたとしても、従業員自身が働きたいと意思表示すれば事業主の方は、定年後も原則として従業員を65歳まで再雇用し続けなければならないということになります。

改正のポイントとして、まず「継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止」があります。これは例えば、現在60歳定年を設けている事業所で、60歳以降の再雇用する要件として、労使協定で勤務評価や出勤率の基準を定めていた場合でも、4月以降はその基準で再雇用したい人を選ぶということが出来なくなります。ただし基準の廃止に関しては経過措置があり、現在、労使協定によって継続雇用の対象となる基準を定めている場合には、以下の範囲において段階的にその基準が適用されることとなります。

・平成25年4月1日～平成28年3月31日までは61歳以
・平成28年4月1日～平成31年3月31日までは62歳以上
・平成31年4月1日～平成34年3月31日までは63歳以上
・平成34年4月1日～平成37年3月31日までは64歳以上

　その他のポイントして

・継続雇用制度の対象者を雇用する企業の拡大

継続雇用先をグループ内の他の会社まで広げることが出来るようになります。

・義務違反の企業に対する公表規定の導入

義務違反が是正されない場合は企業名を公表することがあります。

・高年齢者雇用確保措置の実施および運用に関する指針の策定

業務の遂行に堪えない人を継続雇用制度でどのように取り扱うか等が策定されました。

今後事業所としては、改正に向けての就業規則等の規程の変更の必要性が出てくるのは勿論、定年再雇用対策について、様々な整備が必要となってくるでしょう。

経営コンサルティング部　人事労務支援課　特定社会保険労務士　

著者紹介

森　𠮷隆: 人事コンサルティング部　労務コンサル課　シニアコンサルタント
（特定社会保険労務士）

「WOWOW映画王選手権」2001年、2002年本戦連続優勝、2011年本選準決勝進出、2013年本戦準々決勝進出。2012年「スカパー！映画クイズ選手権」本選優勝。映画検定1級（2014年は首席合格）。