【医療介護あれこれ】 あなたの病院は何を目指しますか?
長 幸美
アドバイザリー大寒を過ぎ、暦の上では立春を迎えています。
梅の花も開花の便りが届き、ひな祭りの様子も報道されるようになってきました。
1月の末に中医協から「個別改定項目について」、いわゆる短冊が出され、2月10日の中医協により「答申」が出されました。同日の夕刻からのニュースではすでに特集が組まれ、今回の改定の内容が一般に報道されるというかつて無いほどのスピード感で進んでいます。
これから3月の末までが勝負どころ・・・どの医療機関様も自院の機能や実態と照らし合わせ、どのような影響が出てくるのか、何に重点を置いて施設基準を取得していくのか、どのような態勢に変更をしていくのか?・・・試算をされ、対策を立てられていることと思います。
ポイントは、『地域包括ケア』と『機能分化』です
今回の改定については、このコラムの中で「平成28年度診療報酬改定は、『地域医療構想を後押しする改定』であると位置づけられている」ということをお伝えしてまいりました。
また、平成30年度の改定は、医療報酬及び介護報酬の改定だけではなく、第7次医療計画・第7次介護計画も同時に改定の予定となっています
(平成27年11月20日 厚生労働省 第91回社会保障審議会医療保険部会 参考資料1 P20)
このような中長期的な視点を持ちつつ、今回の改定をみていく必要があります。
今回の改定だけ、小手先だけで対応しようとすると行き詰まってしまったり、右往左往することになってしまいます。
答申を読み解いていく中で、急性期の病院だけではなく慢性期の医療機関にとっても、非常に厳しい内容になっていることに驚かれた方もあるのではないでしょうか。
ネットで+0.49%とはいえ、7対1病棟への規制や、療養型病棟の見直しなど、どこでプラスが出ているのか?ということを耳にいたします。
反面、多職種連携や在宅に関しては、中重度の患者さんの評価など、加算点数や基準の緩和・拡大等により比較的運用がしやすくなったと感じられる方もあるのではないかと思います。病院機能報告の義務化、DPCデータの提出等で、今、医療機関の診療内容や状況はガラス張りになってきています。自院の強み・弱み、周辺の医療環境・介護環境の状況や地域のニーズなどを医療機関の中でしっかりと把握して、これからの病院の方向性、平成30年度にどのような姿で事業展開していくのか、を検討していきましょう。
具体的には、当社ホームページの診療報酬改定情報のページに掲載しています。
また、個別改定項目について、答申の概略も視点ごとに準備が出来次第要点の掲載をしていきたいと思いますので、どうぞご活用ください。
<関連資料:クリックするとPDFが開きます>
〇答申:個別改定項目について
経営コンサルティング部
経営支援課
著者紹介
- 医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント
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