増加する認知症に我々はどう対応するのか

市川 隆志

アドバイザリー

『認知症』とは、後天的な脳の器質的障害により、正常に発達した知能が全般的かつ持続的に低下し、日常生活に支障を生じた状態をいいます。

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(出典元:ブログ『認知症・アルツハイマー病を理解する』)

上記のグラフからも明らかなように、高齢化の進捗とともに、増加の一途を辿る認知症に対し、医療機関のみならず、患者及びその家族である我々が、どのように対応していくのか、非常に重要な課題です。医療機関ですら、その対応力に格差があり、いわゆる一般病院では、たった一人の認知症患者がいるだけで、現場が大混乱し、その他の患者への対応が不十分になっていたり、更には介護機関でも、十分な知識・経験のないグループホームでは、スタッフの対応の省力化による『部屋への封じ込め』という現状すら生じていたりする始末です。その一方、利用者同士の触れ合いが多いグループホームでは、要介護度が改善されている事実も存在します。

2012年4月の診療報酬・介護報酬の同時改定でも、当然、目玉になっており、介護報酬を議論する厚生労働省の社会保障審議会介護給付費部会でも、【基本的な視点】の中で、『認知症にふさわしいサービスを提供すること』 として取り上げています。
今後増加の一途を辿る認知症に、社会全体として、どう対応するのか、制度のみならず、家族・地域を含め、認知症を通じた、新たなコミュニティの再構築というテーマに、我々一人ひとりが真剣に取り組む必要があるのではないかと考えます。

経営コンサルティング部 部長

著者紹介

市川 隆志
医業経営コンサルティング部 部長

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