若者の「使い捨て」が疑われる企業等への重点監督の実施状況

森 𠮷隆

人事労務

平成25年9月に、過重労働重点監督月間として、若者の「使い捨て」が疑われる企業等に対し重点監督を実施した状況が、平成25年12月17日に厚生労働省より発表されました。その結果、5,111事業場のうち、全体の82%である4,189事業所で何らかの労働基準関係法令違反があり、是正勧告書が交付されました。なお違反の内容は以下の順となっています。

・違法な時間外労働があった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2,241事業場(43.8%)

・賃金不払残業があった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1,221事業場(23.9%)

・過重労働による健康障害防止措置が実施されていない・・・・・・・・・・・・・・・・・71事業所(1.4%)

健康障害防止のため、指導票を交付した事業場として

・過重労働による健康障害防止措置が不十分なもの・・・・・・・・・・・・・・・・・1,120事業場(21.9%)

・労働時間の把握方法が不適正なもの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1,208事業場(23.6%)

重点監督において把握した実態として、1ヶ月の時間外・休日労働時間が最長の者の実績は、

・80時間超・・・・1,230事業所(24.1%)、うち100時間超・・・・・730事業所(14.3%)

今後上記の事業所に対し、引き続き是正の確認を行い、それでもなお法令違反を是正しない事業場については、送検も視野に入れて対応する構えのようで、送検された場合は企業名等の公表もあります。いわゆる「ブラック企業」の存在が批判を浴びる中、企業にとって労務管理、コンプライアンスが益々重要性を帯びてくることでしょう。

コンサルティング部 4課 特定社会保険労務士

著者紹介

森 𠮷隆
人事コンサルティング部 労務コンサル課 シニアコンサルタント
(特定社会保険労務士)

「WOWOW映画王選手権」2001年、2002年本戦連続優勝、2011年本選準決勝進出、2013年本戦準々決勝進出。2012年「スカパー!映画クイズ選手権」本選優勝。映画検定1級(2014年は首席合格)。

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