【医療介護あれこれ】個別事項(その3について)~透析・移植②~

長 幸美

アドバイザリー

(こちらの記事は『個別事項(その3について)~がん①~』の続編となっております。)

また、がんだけではなく、心不全をはじめとする「臓器不全」にも注目されています。
疾患によっても、その方の感じ方によっても、「苦痛・痛み・不安」などは様々です。しかし、日常管理を行っている「かかりつけ医」等については、どこに相談するのか、ということを考え、地域社会の中で患者を支える体制を構築していくことが大事になってくるということでしょう。

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(出典:中医協資料「個別事項(その3)」より)

慢性心不全患者の苦痛も、がん患者と共通して、緩和ケアが求められていることがわかると思います。

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(出典:中医協資料「個別事項(その3)」より)

【腎代替え療法(血液透析、腹膜透析、腎移植にかかる評価】
透析については、現在患者数は約33万人と言われており、年々増加の傾向にあります。毎年約4万人が新規導入をされているといわれています。10年以上の長期間透析を実施されている方も増加の傾向にあり、透析患者の高齢化も課題の一つとなっています。

人工透析(血液透析)については、慢性腎不全に対する代表的な合併症の「腎性貧血」については、前回改定で、エリスロポエチン及びダルベポエチンについて、包括的に評価されました。

末期腎不全に対する腎代替え療法としては、「血液透析」「腹膜透析」「腎移植」の3通りがあります。
腹膜透析は、血液透析と比較して、生活の制限は少なくなります。腹膜の機能を活用して夜間等に自宅で行う治療法として注目されているものと思いますが、操作方法や感染防止、精神的不安等を多く感じておられる方が多いのも事実だと思います。
また、高齢化が進んでくると、自宅で・・・ということも難しくなってくるでしょう。

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(出典:中医協資料「個別事項(その3)」より)

こういったことからも、糖尿病等の重度化、透析導入前の医学的管理等、予防や重度化予防という考え方が、今後も検討されていくのではないかと思われます。

臓器提供について
臓器提供、特に脳死・心停止後の臓器提供については、賛否両論分かれるところだと思います。ただ、診療報酬改定の審議会の中で、「ドナーや家族の意向に沿った臓器提供を円滑に進めるための環境整備」として、話し合いがなされています。臓器提供は先進国の中でも、日本は格段に少ないのが現状です。
それを受けて、診療報酬の中で、どのように評価されていくのか、注目してみたいと思います。

<参考資料>
〇中央社会保険医療協議会「個別事項(その3)」 20191009(水)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000557315.pdf

著者紹介

長 幸美
医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント

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