【令和2年度診療報酬改定】他科受診について
長 幸美
アドバイザリー入院中の患者が、他の保険医療機関での診療を必要とする場合は、他医療機関へ転移又は対診を求めることを原則とされています。
しかしながら、入院中の医療機関の専門外等で、専門的な診療が必要となった場合のやむを得ない措置として、「他科受診」として、他の医療機関での診療の費用を請求することが認められています。
この基本的なルールに変更点はありませんが、令和2年度診療報酬改定で、1点のみ変更がありましたので、確認しておきましょう。
変更点は、「高度な放射線治療機器等を有する医療機関への受診」については、入院料の控除割合が、5%に設定されていますが、その範囲が拡大されたということです。
拡大された部分については、以下の5項目です。
E101 シングルホトンエミッションコンピュータ断層撮影
E101-2 ポジトロン断層撮影
E101-3 ポジトロン断層・コンピュータ断層複合撮影
E101-4 ポジトロン断層・磁気共鳴コンピュータ断層複合撮影
E101-5 乳房用ポジトロン断層撮影
基本的な控除額は、入院料の10%から包括入院料では40%の控除となっていました。
今回の改定で、その控除額が大幅に小さくなり、治療だけではなく、画像診断に拡大されていますので、今までより画像診断(いわゆるPET等)の依頼をしやすくなったのではないでしょうか?
診療録に紹介文書を添付するとともに、診療報酬明細書の摘要欄に記載する内容については、変更がありません。以下にレセプトへの記載事項を掲載します。
◆画像診断実施の医療機関については、「入院医療機関名」「当該入院料」「受診した理由」
「診療科」「受診日数:〇日」の記載が必要
◆入院医療機関については、「他医療機関を受診した理由」「診療科」「受診日数」を記載
するとともに、「他医療機関のレセプトを添付」が必要
該当する医療機関は、告示・通知等でご確認ください。
<参考資料>
◆厚労省:令和2年度診療報酬改定
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00027.html
※告示_別表第1 入院料
※通知_別添1
医業経営支援課
著者紹介
- 医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント
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