【令和2年度診療報酬改定】救急医療管理加算について
長 幸美
アドバイザリー「救急医療管理加算」とは、重篤な救急搬送患者を受け入れた患者において、入院初期に濃密な検査・治療が必要となる点を考慮した診療報酬項目です。
緊急搬送された患者など、救命や傷病確定のために投下する医療資源投入量が必然的に多くなることを踏まえて、加算点数がついています。
算定対象となる状態であって、医師が診察等の結果「直ちに入院加療が必要であると認めた重症患者」に、入院日から起算して7日間算定ができます。
しかし、この「救急医療管理加算」は、算定にばらつきがあり、「重度な救急患者」以外にも、算定されている現状があり、査定も多い項目です。
このため今回の改定では、対象疾病があいまいである点や、入院時に必ずしも重篤とは言えない患者にも算定されていることを踏まえ、中医協では「算定要件をどのように見直していくか」、議論が行われてきました。
今回の改定における変更点は、2点です。
1点目は、所定点数が50点増点したこと
2点目は、レセプトへの記載要件が変更・追加となり、重症者への医療提供の評価が明確になってきたこと、です。
算定要件では、加算2については、「コ ア~ケに準ずる状態」とあったものが、「コ ア~ケに準ずる状態」または「その他の重症な状態」と変更されています。届け出の施設基準について、変更はありませんでしたが、レセプトの記載要綱の中に、「入院時の状態にかかる指標」を記載する項目が増えたことと、「入院3日以内に実施した「検査」「画像診断」「処置」または手術のうち、主要なものを記載する」ことがあります。
では、この「主要なもの」とは一体何なのか・・・という疑問がありますが、疑義解釈通知の中に、「当該重症な状態に対して、入院後3日以内に実施した診療行為のうち、最も人的又は物的医療資源を投入したものを指す。」と回答が記載されています。簡単に言うと、「一番高かったものは何か?」ということになると思います。
また、この項目は、「急性期医療」の提供状況を示す「指標」としても、使用されていますので、とても重要な項目になると思います。これまで通りの算定を続けていると、査定が増加することも懸念されますので、関連する医療機関の皆様、現場の方とともに、内容をご確認ください。
<参考資料>
◆厚労省:令和2年度診療報酬改定説明会資料等について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196352_00001.html
※「09 個別的事項」をご覧ください
◆厚労省:令和2年度診療報酬改定について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00027.html
※告示・通知をご覧ください。
医業経営支援課
著者紹介
- 医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント
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