【医療介護あれこれ】接遇レッスン「接遇」
長 幸美
アドバイザリー皆さん、「接遇・マナー」と聞いて、どのようなことを思いつかれるでしょうか?
「接遇」とは、接客業務時におけるお客様への「おもてなし」や「応対」を意味しており、主に接客スキルのことをいいます。
「病院で接遇なんて、ちゃんとした医療技術を提供すれば問題ないわよ・・・!」
本当にそうでしょうか?
私は病院や診療所こそ「接遇」を意識することが大事ではないかと思っています。
介護事業所に至っても同様です。
なぜならば、私たち医療機関や介護施設を利用する方々は、多くが人生経験も豊富な方々、子育てをしている方々、社会的にも活躍をされている方々、そして、これから成長し社会に出ていこうとする方々です。誰一人軽んじてよい人はありません。また、同じ医療機関・介護事業所で働く人々は、職種も資格も違う多様な方々が気持ちを一つにして、同じ目的をもって働いています。そして、様々な出入りされる業者の方々も、それぞれの立場で医療機関や介護事業所の業務を支えてくれている方々です。
患者も職員も業者も、それぞれの立場があり、それぞれの多様な考え方をお持ちでしょうが、皆さん尊重されるべき「大事な方々」です。
そう考えていくと、なぜ、接遇を意識していかなければいけないのか、お分かりですね。
「おもてなし」とは、単に礼儀正しく応対する方法を指している言葉ではありません。
延期されましたが、東京五輪を誘致するときのスピーチのときに使われて有名になりましたね。あの滝川クリステルさんがお遣いになった「お・も・て・な・し」です。
「おもてなし」の語源は、平安・室町時代に発症した茶の湯から始まったといわれ、客人や大切な人への気遣いや心配りをする日本古来の文化です。
簡単にいうと、相手の方へ敬意を払い、大切にする心を伝えるものであると解釈しております。
冒頭申し上げた、「接客」と違うところは、お客様への必要なサービス提供に加えて、相手の方を受け止め、その存在を認め、おもいやり、大事にしていることを態度で示すスキルと考えられます。
それでは、「マナー」とは何でしょうか?
「マナー」を日本語に訳すと、「行儀・作法」と出てきます。ルールとは違い、規則に縛られることなく、相手を大切に思う“気持ち”を表現する方法です。
つまり、皆さんの自発的な行動で、気持ちの良い・居心地の良い“場”を作ることにあり、とても大切なことです。
例えば、「テーブルマナー」は食事の時に誰もが気持ちよくおいしく食事するための心遣いや作法ですし、「社会人マナー」は社会人として相手(周囲の方々)と気持ちよく社会生活を送るときのお作法や不快な思いを抱かせないための行動・心遣いであり、 「ビジネスマナー」は仕事をする上で、職場の内外のつながりのある方々と気持ちよく仕事をするための職場における心遣いや作法・・・ということになります。
このように考えていくと、医療機関や介護事業所での「接遇・マナー」が大切なことはわかりますよね。これから、医療機関に必要な「接遇」や「マナー」を、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
次回は、「第一印象」についてお話したいと思います。
医業経営支援課
著者紹介
- 医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント
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