【医療介護あれこれ】医療事務基礎講座「医療機関の役割」

長 幸美

アドバイザリー

医療機関は「医療の提供」という人の命にかかわることを生業とするサービス業です。
今回は「医療機関の役割」と題して、現在のクリニックに求められている役割を考えていきたいと思います。

少子高齢化や、患者ニーズの変化に伴い、医療機関に求められることも変わってきました。インターネットの発達により、医療に関する情報はあふれ、より良い医療を求めて「セカンドオピニオン」を希望される方も多くなり、治療方法も「こういう治療をしてほしい」と患者側が申し出てくる状況等も出てきています。がんや脳梗塞、難病といわれる難治性の疾患についても研究事業が進み、「病気と長く付き合って社会生活を行う」、ということも普通になってきました。

こういった中で、医療機関の役割は、「病気を治療する(治す)医療」という役割から、治療しながら生活を行う・・・つまり「生活を支える医療」へと医学の発展とともに変わってきたという風に感じています。
患者をはじめとする社会ニーズは、下記のように変わってきています。
・情報の開示・提供 ⇒疾病情報だけではなく、治療成績や医療機関の情報も!
・説明と同意 ⇒自分がどのような治療を受けるのか、選択したい
・セカンドオピニオン⇒最善の方法は何かほかの医師の専門的な意見を聞きたい
・医療の安全性 ⇒その治療にどんな危険があるのか、
・個人情報の取扱い ⇒守秘義務
そして、今回のCOVID-19対応において、「感染対策」「非接触による診療(オンライン診療)」にまで広がりを見せています。

また、「生活を支える医療」は、診療所の中で患者さんが求めてきたときに医療を提供する、ということではありません。「生活の場」は自宅であり、地域の中です。その地域の中で暮らしている生活を、医療者としてどのようなこと(サービス)で支えていけるか・・・地域の視点でいうと、「どんなことをして支えてくれるのか」ということが求められているということを認識する必要があると思います。

それと同時に、患者の視点をもってサービスの向上を求められるようになってきました。つまり「接遇力の向上」です。この「接遇」については、弊社のコラムの中でシリーズ化してお話をしていますので、ここでは割愛します。是非、弊社コラムをご覧ください。

医業経営支援課

著者紹介

長 幸美
医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント

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