【医療介護あれこれ】増減点連絡書の見方(QAより)
長 幸美
アドバイザリー先日、弊社主催の顧問先様向けセミナー「スキルアップセミナー」で「査定・減点」について皆さんと考える時間を設けました。その際に、「増減点連絡書の見方が分からない」というお話が出てきました。今日はその増減点連絡書の見方を考えていきましょう。
詳細な内容は、「社会保険支払基金」「兵庫県国保連合会」の資料を巻末につけていますので、ご確認ください。
ここでは、査定の理由をどのように考えていくのか考えていきましょう。
【増減点連絡書】
査定・減点の内容が書かれていますが、この中に「増減点自由というものが書かれています。増減点の理由はA,B,C,D・・・という記号で書かれています。その主な内容は以下の通りです。
A、療養担当規則等に照らし、医学的に保険診療上適応とならないもの
B、療養担当規則等に照らし、医学的に保険診療上過剰・重複となるもの
C、療養担当規則等に照らし、A・B以外で医学的に保険診療上適当でないもの
D、告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの
F、固定点数が誤っているもの
G、請求点数の集計が誤っているもの
H、縦計計算が誤っているもの
K、その他
A~Dに関しては、診療の内容に関するものになります。
F~Hに関しては、事務上に関するものになります。
主な理由をみていきましょう。
【A査定】
この、「A査定」の中で一番多いのは「病名漏れ」だと思います。
「適応外使用」があった場合など、ここに該当してきます。十分注意しましょう。
【B査定】
過剰・重複と考えられるものがこの中に入ります。
例えば、件数の回数が多い・頻回に同じ検査を実施している、薬剤の投与量が多いなどがこの中に挙げられてきます。
【C査定】
「A・B以外で医学的に保険診療上適当でないもの」とあります。
例えば、同じような内容の検査を数通り実施している場合も、C査定となります。医学的な疑義が生じた場合で、A・Bの理由には該当しないというような内容とされていて、B査定ではないか、と思われるような事例もあります。また、薬剤の適応外使用についてもC査定に分類されることもあるようです。
査定の事例の中には、「慎重投与」に該当する事例もありました。
【D査定】
「告示・通知の算定要件に合致していない」ということですので、点数表に記載されている「算定要件」「通知」をしっかりと読み込むことが必要だと思います。
例えば、初・再診料の考え方や、他科受診の考え方と算定方法、同一疾病の考え方なども書かれています。
先日弊社で顧問先様向けのサービスとして、クリニック事務職員のための「お悩みオンライン相談カフェ」を開催した時に、「同一疾病の考え方」をご紹介しました。
どういうものかというと、喘息等の間歇性疾患の治療や再発のときの受診を再診料で算定するか、初診料で算定するか、ということなどが該当します。
また、悪性腫瘍(がん)の診断が出た方の腫瘍マーカーは「悪性腫瘍特異物質治療管理料」で算定するように決められていますが、一部の疾患の特定の腫瘍マーカーは別に算定ができることになっています。このルールに従われていない場合はD査定を受けることになります。
診療点数早見表により、ルールを確認しつつ、適切なレセプトを作成することが事務職員には求められていますので、この内容を十分に理解できるようにしていきましょう。
また、チェック項目が年々増加してきているのも事実です。
レセプトを提出する前に、病名漏れや算定ルールの誤り等はレセコンの中の、「レセプトチェッカー」の仕組みを活用して、できるだけ提出前にチェックできるようにするのもひとつの手だと思います。システムを活用しつつ、人の目で確認するところは確認することにより、査定を減らしていく努力をしましょう!
医業経営支援課
著者紹介
- 医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント
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