【医療介護あれこれ】接遇レッスン「聴き方のマナー」
長 幸美
アドバイザリー前回の会話のマナーのところでも、少しふれましたが、話しやすい場づくりの中でとても大事なのが、「聴き方」です。
この話を聴くときの態度・・・実はとても難しいのです。
皆さんのなかには、
「ちゃんと話を聴いてくれない」
「この人は私を受け止めてくれた、この人に話をしてよかった」
というような印象を持ったこと、ありませんか?
これは「聴き手」の聞き方によって話し手が受ける感情です。このことについて、考えてみましょう。
「話をきく」という聞き方にはいくつかありますが、代表的なものを三つお伝えします。
【聞く】
この「聞く」という漢字は、門構えの中に耳がありますが、これは「ききたいことだけを聞く」という意味合いがあります。つまり、聞きたくないものは、門を閉ざして「聞き流す」ことができるわけです。
また、意識をしていなくても聞こえてくる、という意味合いもあります。つまり、言葉を「音」としてとらえるというような意味合いもありますね。
【訊く】
この「訊く」は「尋ねる」「問いただす」という意味合いが入ってきます。
刑事ドラマなどで、尋問(訊問)するシーンを思い出してください。これは常用漢字表外の漢字ですので、公用文などには使うことはできませんが、違いが分かりやすいので、研修時などは、ひとつの例として時々使用します。
【聴く】
「十四の心の耳で聴く」・・・これは聖徳太子の聴き方だといわれています。
どういうことかというと、自分から積極的に耳を傾けて聴くこと、意識を集中して聞き取るという意味合いを含んでいます。
接遇を考える方は、この「聴く」・・・つまり、心を込めて相手の話を聴いてほしいと思います。簡単に言うと、相手に「興味を持って聞いていますよ」ということを態度で示すということになります。そのために必要なポイント(方法)を伝授しましょう!
それは①相槌をうつ、②オウム返し(復唱)、③呼吸を合わせる、ということです。
医療機関の中では、「相手の話を正しく聞き取る」ということはとても大事なことです。
(あ・・・これは病院の中だけではないですね)
このためには、適度に相槌を打ち、「こういうことですよね」と自分が理解していることを確認する必要が出てきます。
特に「電話応対」の場面では、意識的に行う必要があります。
近頃ではWebを活用した打合せや診療なども増えてきて、このような場合でも、意識的に「相槌」や「復唱」をしていかないと、話をしている方は「ちゃんと聞いてくれているのかしら・・・と不安になってきますね。また、相手の話のタイミング(呼吸)を合わせなければ、話の腰を折ることにもなりかねません。
これは、お友達やご家族との会話の中でも訓練することができます。
「ちょっと~私の話聞いてる?」
「お母さん、お母さんってば~、もういい!!」
「ねえ~聞いてよお!」
なんていう言葉が出てきたら、皆さんの聴き方がまずいのです。
「十四の心の耳で聴く」・・・是非意識をしてみてください。
医業経営支援課
著者紹介
- 医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント
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