【令和3年度介護報酬改定】食べるということ~管理栄養士さん、出番です!~
長 幸美
アドバイザリー今回の改定は、加算部分でとても大きな改定になりましたね。
改定のポイントやテーマとしては、「医療と介護の連携」「看取り」「地域包括ケア」と様々にあります。前回の同時改定のときにも「口から食べる」ということに大きな動きがありました。
生活を支えるためには「食事」「排泄」「清潔(入浴)」についてサポートが必要だといわれています。その中でも、運動機能の維持、認知症の悪化防止、褥瘡・・・様々な高齢化による対策には、「口腔ケア」と「栄養」という部分がとても大事になるということを言われています。
今回の改定は、この傾向がさらに大きくなり、随所に「食事」にまつわる内容が・・・
さて、皆さんと一緒に見ていきたいと思います。
【経過措置】
「食事」にまつわる経過措置がいくつかあります。よく見ていただきたいのは、運営基準の改定等により、「やらねばならない」ものとなってきていることです。
次の改定では、今出てきている「減算」よりも大きな減算となることも予測されます。
これらのほかにも、リハビリテーション・機能訓練、及び口腔ケア、等の取り組みに対し、管理栄養士や歯科医師・歯科衛生士が参画・関与することを求める内容がありますので、留意が必要です。
【管理栄養士の配置】
近年では「栄養ケアステーション」を各地域に作り、小規模事業所など、管理栄養士を抱えたくても抱えられない事業所がシェアできるような取り組みも進められています。皆さんの周辺は如何でしょうか?
実際に栄養ケアステーションの方とお話をしたところ、「在宅訪問栄養指導」を行うことを前提とされ、料金設定を行われているため、事業所としては依頼しにくい状況があるようです。時間単価をしっかりと考え、活動ができるようにしていきましょう。
地域によっては、すでに栄養ケアステーションにおいても、外来栄養指導等に活用が進んできているようです。また、医療機関や介護施設においても、管理栄養士の派遣ということが行われているとお聞きしています。
医療機関及び介護施設の管理栄養士さんの出番が増えてきていますよ!
以前、医療機関の管理栄養士や老健等に配置されている管理栄養士について、「活躍の場が増えてきましたね」という内容のコラムを記載したことがあります。
今回の改定を見ていて、さらにその印象を強く持ちました。
【老健の栄養マネジメント強化加算算定の考え方】
老健における配置基準の中で、「入所者50人に常勤管理栄養士を1人配置」とあります。さらに、栄養士が常勤1名配置の場合は、「入所者70名に1人以上の管理栄養士が必要」とあります。これだけ、管理栄養士の役割を重要視されていると思います。
常勤1名+常勤換算ですので、事業所の中で、しっかりと勤務管理をしていく必要があります。また、+αの人員配置がある場合、・・・つまり余剰人員がある場合は、デイケア等での配置としてのカウントが可能になります。
しっかりと勤務管理を行っていく必要が出てきました。
さて、皆さん、こうして考えていくと、「口から食べる」ということに対し、管理栄養士さんの役割は大きくなってきています。事業所の中で、管理栄養士さんがいらっしゃる場合は、「調理員」としての業務ではなく、管理栄養士本来の役割をしっかりと考えていく必要が出てきていると思います。
この機会にぜひ考えてみてください。
医業経営支援課
著者紹介
- 医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント
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