【医療介護あれこれ】オンライン資格認定⑤
長 幸美
アドバイザリー昨年から、「オンライン資格確認」について幾度かお話をしてきました。
今回はその第5弾です。
7月9日にオンライン資格確認の説明会が行われました。
今年3月からの稼働を当初めざしていたこの「オンライン資格確認」ですが、保険者が管理・登録していた情報の正確性の課題があり、一旦中断されていました。
今回、情報の正確性が担保されたために、7月~8月に集中導入期間としてプレ運用(導入)を支援し、10月の本稼働を目指したいとのお話です。
ポータルサイトの登録数は8割を超え、準備が進んでいるようでございます。
また、薬剤情報の閲覧も同時に開始される予定とのことです。
さらに、仮に患者さんが持参する保険情報が間違えている場合でも、オンライン資格確認を導入することにより、正しい保険情報に振り替えて正しい保険者へのレセプト請求にして返戻を防止していくことが可能とのことです。
これは、医療機関にとっては、ありがたいことですね。
マイナンバーカードの普及率はまだ、4300万人程度、申請済みの方は5000万人程度となっているようです。地域差や年齢差はありますが、3割を超える方がマイナンバーカードを持たれている状況にはなってきています。
ただ、まだまだ十分に普及しているとは言えないかもしれません。
顔認証カードリーダーのみが保険確認の対象ではありません。
受付窓口において、「健康保険証の情報」・・・つまり、記号番号を入力することで、オンライン資格確認は活用ができます。実際に7~8割程度はパソコンからの有効性の確認ができているようです。
全国で約1000件を超えるプレ運用の実績があり、その方々の運用状況なども、ポータルサイトで確認ができるようですので、ご興味がおありの方は是非参照していただくといいのではないかと思います。
【準備が必要なこと】
■システムベンダーへの連絡・相談
まずは、レセコン及び電カルのシステムベンダに連絡をして、接続の準備をしてもらう必要があります。
■プレ運用の活用
保険者による保険情報については誤りがないことを確認されているようですが、スムーズにいかない例もあるようです。プレ運用期間に、保険証との確認等を並行して行い、データの正確性を確認されること、さらに手順などを職員の皆さんが熟知されることをお勧めします。
さて、如何でしょうか?
公費に関しては、主保険に紐づけることは難しいようでございます。
このため、マイナンバーカードに紐づけていくようになるのではないか、というお話も出てきていました。また、公費の中でも、生活保護については、法律を審議したうえで、来年度の国会にて法案を提出し成立をもって状況を整えていく必要があり、このために令和5年度のサービス開始ということになるとのことです。
セキュリティの課題、データ情報の精度など、様々な課題がまだまだありそうだなとは思いましたが、保険証の過誤について、振替をしてくださるというお話は悪くないのかな、と思っています。皆さんが導入について検討される一助になれば幸いです。
<参考資料>
■厚労省「導入事例紹介特設サイト」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08280.html
■ポータルサイト
https://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/
■説明会動画
https://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/news/post-61.html
医業経営支援課
著者紹介
- 医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント
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