【医業介護あれこれ】簡単な検査の算定について(QAより)

長 幸美

アドバイザリー

保険収載されていない検査について、時々算定の可否の問合せがあります。
さて、今日はこの内容についてみていきたいと思います。

【保険収載されていない検査とは・・・】
二通りの理由があります。
ひとつは、基本診療料や特掲診療料の中の手技等に含まれている場合、
もう一つは、新しい検査で、まだ保険診療として承認されていない場合です。

■基本診療料や手技に含まれている場合
基本診療料には、簡易な検査(例えば血圧測定検査等)、簡易な処置の費用等を含んでいる、と定められています。
また、検体検査の場合、患者さんから穿刺等により検体を採取するときの手技料に含まれている検査もあります。
例えば、関節穿刺の際に行う関節結晶検査、等が該当します。

こういった「初・再診料」「採取手技料」等に含まれている場合、仮に自費でその検査料を算定した場合、重複請求となります。

■新しい検査で、まだ保険診療として承認されていない場合
原則的には、保険収載(承認)されないと算定はできませんが、検査の「通則4」によると検査の項に掲げられていない検査であって特殊なものの費用は、掲載している検査の中で最も近似している検査の区分で算定することが定められています。このため、その都度、九州厚生局に内議を申し出て一番近い検査にて算定(準用点数)を行うこととなります。
また、治験等により新薬等の効果判定のための検査などは、治験の費用に含まれる場合があり、別途請求できない場合もありますので、注意が必要です。

【事例】
Q、関節結晶検査を実施していますが、点数表を見ても保険点数の定めがありません。
これは自費で請求しようと思いますが、いいでしょうか?

A、間接液を穿刺し、顕微鏡にて尿酸ナトリウム結晶とピロリン酸カルシウム結晶(CPPD)
の有無を目視確認するものです。このため、簡単な顕微鏡検査と考えられ、関節穿刺の手技料に含まれると解釈できます。
この場合は、手技料に含まれていることから、自費で検査料を算定することはできないと考えます。
さらに、自費検査とした場合、混合診療や重複請求に該当する可能性(重複請求)となりますので、注意が必要です。

医業コンサル課

著者紹介

長 幸美
医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント

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