「相続税についてのお尋ね」が来たら?
甲斐 茂
税務・会計「相続税についてのお尋ね」は、故人が死亡してから6~8ヵ月後に税務署から送られてきます。「お尋ね」が送られてきたからといって、ただちに脱税や不正が疑われているわけではありません。突然、税務署から書類が届くと不安になりますが、過度に心配する必要はありません。
また「相続税についてのお尋ね」は相続が発生した人全員に送られるわけではありません。税務署は被相続人の財産についておおまかなところは把握しているようです。
なぜ相続が発生したことが知られているのでしょうか。それは市区町村からの報告があるからです。人が亡くなった場合、家族は死亡後7日以内に市区町村に死亡届書を提出します。市区町村は、死亡届書の提出があった場合には一定の期日までに故人の財産などを調査したうえで、所轄の税務署長に報告する義務があります(相続税法58条)。また不動産を相続し所有権移転の登記をした場合には、登記情報を見れば財産の承継状況が誰にでも確認できます。
実際にお尋ねが来た場合はどうすればよいのでしょうか。現時点では、すべての財産状況を一元管理されているわけではないですが、虚偽の回答は禁物です。
すでに税理士に相談していて相続税の申告の準備をしている場合は、「お尋ね」に回答しなくても構いません。財産の評価方法などがわからない場合は、税理士に相談することをお勧めします。
税務会計2課 シニアコンサルタント
著者紹介
- 税務会計コンサルティング部 税務会計2課 シニアコンサルタント
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