【医業介護あれこれ】糖負荷試験ってどういうものですか?(QAより)
長 幸美
アドバイザリー先日「糖負荷試験の算定について教えてください」という質問が来ましたので、今回は「糖負荷試験」についてみていきましょう。
【糖負荷試験とは?】
糖尿病を最も確実に診断できる検査です。
糖尿病は、血糖を下げるインスリンというホルモンの分泌が減ったり働きが悪くなったりして、血液中の糖の値が高い状態が続く病気です。血糖値が高くなると、血液がドロドロになり、つまり易くなったり、血管がボロボロになったり、神経に障害が起こったりします。
通常の検査では、空腹時血糖あるいは食後の血糖値を測定しています。食後の場合は食事の内容や量、採血までの時間により、大きく血糖値は左右されてしまいます。このため、糖尿病の診断のためには、糖分を摂取後に血糖値がどのように変化していくかを調べます。同時にインスリン値も測りインスリン分泌の程度など、より詳しく調べることもできます。
【検査の対象者は?】
健康診断で糖尿病が疑われた方や、妊娠中に血糖値が上がってしまった方が対象となります。
具体的に言うと、尿糖が(+)になっているからや空腹時血糖が高い人、血縁者に糖尿病の方が多い人、境界型の糖尿病(耐糖能異常)の方などが糖尿病か否かの判断をするために実施する場合が多いです。
逆にすでに著しい高血糖が確認されている方は、検査用のブドウ糖を飲むことになるので、検査はできません。(異常高血糖を引き起こす危険があるため)
【実際の検査】
糖負荷試験は常用負荷試験(D288-1)と耐糖能検査(D288-2)があります。
どちらも、検査自体は、2時間程度で終わります。
検査の前日は午後9時以降絶食です。飲み物は、水、緑茶など糖分が入っていないものは飲んでよいです。検査当日も絶食です。
空腹の状態で、採血し、血糖値を測定します。
その後ブドウ糖75gが入った液体を内服します。
服用後 30分後、1時間後、2時間後に採血し、血糖値を測定します。合計4回採血するわけです。
これが常用負荷試験ですが、この検査にそれぞれインスリン値やC-ペプチド測定を合わせて測定すると、耐糖能検査となります。
【算定方法】
負荷試験の基本点数+負荷に使用した薬剤(今回はブドウ糖75g)
負荷の前後にかかる血中または尿中のそれぞれの測定に際しては、測定回数、測定間隔等にかかわらず、一連のものとして扱い当該負荷試験の項で算定することになります。
【今回の査定内容】
レセプトを確認すると、糖負荷試験、血中インスリン測定、血中C-ペプチド測定、生化学(Ⅱ)判断料、B―Vを算定し、糖負荷試験が査定されていました。
ブドウ糖75gも算定されていなかったので、糖負荷試験が査定されていたものと思われますが、負荷試験の内容をカルテから確認し、正しく算定をするようにしましょう。
また、このほかにも、肝機能や腎機能検査(クリアランス検査)やアレルギー検査、内服や点滴での誘発試験などもありますので、時間があるときに、検査の内容やどんなことをして、負荷に必要な薬剤等をどんなものを使用するか、確認しておきましょう!
<参考資料>
〇診療報酬早見表_検査「負荷試験等」
医業コンサル課
著者紹介
- 医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント
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