コロナ禍終息後の増税が気になります

山下 祐樹

税務・会計

今回のコロナ禍において、国、地方公共団体から多額の助成金、給付金等の財政支出が行われています。
その額は過去に起きた震災等の被害金額を大きく上回る可能性があります。

明治以降の震災被害額は以下になります。
・関東大震災が東京市の財政規模1億円に対し震災被害約50億円
・阪神淡路大震災が約9.6兆円
・東日本大震災は約16~25兆円で、福島原発の事故処理費用22兆円を加えると被害総額は40兆円を遥かに上回ります。

また、震災復興の財源は、直近の東日本大震災では、復興特別所得税や復興特別法人税が創設され、財源の一部を補っています。
コロナによる被害は、過去の震災のような資産の被害ではなく、経済的な被害がほとんどなので、復興の方法や速度は違ってはきます。

日本列島は、いまや「天地動乱の大災害時代」に突入したといってもよい状況です。近未来において、南海トラフ地震や首都直下地震、また超大型台風などによる巨大災害が予想されるなか、令和2年7月の熊本水害など大雨による大規模な自然災害が毎年発生している現状を考えると、将来の大規模災害の発生やコロナウイルスなどでの資産損失や経済損失に備えた財源の検討が早急に必要であり、コロナ禍終息後の増税がいつどのような形で行われるかが気になるところです。

著者紹介

山下 祐樹
税務会計コンサルティング部 審理室 アドバイザー

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