専門家に聞いてみよう!「査定・減点の対応」について
長 幸美
医業経営支援専門家に聞いてみよう!「査定・減点の対応」について、セミナーの講師である株式会社M&Cパートナーコンサルティングの代表取締役_村上佳子先生にセミナーをしていただきました。
当日は土曜日の午後でしたが、診療所・病院・訪問看護ステーションの方も含め、50名近くの方の参加をいただきました。
■何故、査定・減点が行われるか?
我が国の保険制度は、社会保障制度の中で、国民から保険料を徴収し、診療が行われた場合に診療報酬点数表に基づいて請求を行い、適正かどうかを審査された末に診療報酬が支払われる仕組みがあります。
この審査の時に、「不適切」「過剰診療」と判断されると、「査定」というカタチで、診療報酬請求書から減額されるのです。
このため、レセプトを作成するにあたっては、「病名に対し、必要な診療だった」ということがわかるようにしなければなりません。そうしないと、診療しているのに収入が入ってこないということになりますから・・・。
■審査の変化・傾向
これまで、目視で審査をされていましたが、「審査支払業務の効率化・高度化」という観点から、コンピュータシステムを活用したチェックに移行されています。
つまり働き方改革です。これまではコンピュータによるチェックのあと、職員による事前確認を経て、審査委員(医師)による審査が行われていました。つまり、目視によるチェックをしていたわけです 。今後これを、AIの活用も含めたコンピュータチェックによる審査に移行し、審査委員会へのレセプト審査は1割程度を目指すということが進められています。
■査定・減点の傾向
現在の減点等の情報については、支払基金や国保連合会から、「審査情報提供資料」が公開されています。支払基金・国保連合会の見解がかかれていますので、参考になるのではないかと思います。以下のアドレスから確認することができますので、活用しましょう!
<支払基金>
https://www.ssk.or.jp/smph/shinryohoshu/teikyojirei/index.html
<国保連合会>
https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/
■査定を受けたときにどうしたらよいでしょうか?
医療機関の対応についてはまちまちですが、査定を受けた場合は「査定・減点」の内容を確認するとともに、再審査請求やコメントでの対応などを検討しましょう。
中には、「査定されたらもう算定しない」や「高額医療機関に該当すると心配だから算定しないようにしている」という医療機関もありますが、あまりお勧めできません。過剰請求や不適切な請求を認めることになるため、他の項目についても査定されてしまうことにもなりかねません。
査定・減点に関しては、内容を精査して、病名漏れや病名のみで対応しきれない場合は、コメントや症状詳記を利用して、必要な診療だったということを説明するようにしましょう。
今回セミナーでは事前にいただいた質問事項に対し、解説を加えて対応策等をお話いただきました。セミナー後のアンケートでは「相談ができる場所がない」「他の医療機関での対応等を聞きたい」というお声がありました。
株式会社M&Cパートナーコンサルティングでは、専門研究員により、改定の情報やこのようなお困りの時の質問等にもお答えする有料サービスがあり、ご好評をいただいています。
ご興味がある方は、ぜひ一度ご連絡ください。お待ちしています。
医業コンサル課 長幸美
著者紹介
- 医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント
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