インフレ(物価高)と預金金利

弓削 貴裕

リスクマネジメント

ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、もう間もなく3年になろうかという現在。
インフレが生活に影響を及ぼし始めたのもその頃だったでしょうか。
小麦やガソリンなどの値上がりから始まり、生活に係るほとんどのものが相次いで値上げされています。

インフレに負けないように企業も賃上げを実行し、その結果人件費の高騰が更なるインフレにつながっています。
他国に比べると物価上昇は抑えられていますが、それでも生活に及ぼす影響は小さくありません。

他国は物価高を抑えるために、市場の金利を大幅に上げてきました。その結果、住宅ローン金利や借入の金利が大幅に上昇し、購入しづらい状況を作り、物価を押さえようと取り組んでいます。
銀行の金利も同様に上昇していますので、預けた資産がこれまで以上に増える状況です。

逆に日本は市場の金利を上げないという選択をしました。
これにより住宅ローンや借入の金利は上昇することなく、多くの国民に安心を与えました。その反面、預金金利も変わらず低い状態が続いており、全く増えない状況に変わりありません。

この選択の注意点は、物価が上がっているのに預金は増えないということです。
「現在の預金は実質的には資産が目減りしているんだ」ということに、多くの方が気付き始めています。
つまり、現在10,000円で買えるものが、物価の上昇によって来年には12,000円になり、同じ価格では買えなくなっていくということです。「10,000円はずっと10,000円の価値」ではないのです。

ではどうすれば良いのか。
預金を、【目減りするリスク】と捉えることができれば、同じようにリスクを取って物価高に負けないように資産形成する方法を考えてみてはいかがでしょうか。

大手銀行が高金利の米ドル定期預金を提供するというニュースもありました。
2024年からはNISAも制度が一新し、とても使いやすく魅力的なサービスになります。

知らないことで資産を減らす時代に入っています。
どうすべきか、どうしたいのか、一緒に考えていきましょう。

2023年10月17日

著者紹介

弓削 貴裕
経営プランニング部 部長

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