令和6年10月度診療報酬改定について~概要~

長 幸美

医療介護あれこれ

今年は、医療・介護・障害のトリプル改定の年でした。診療報酬が6月改定となり、介護報酬に関しては、4月改定と6月改定(医療関連)とに分かれ、なかなか煩雑な年だったと思います。
ところが、今年は10月にもまた改定があるとされ、諮問・答申が出されびっくりされた方もあると思います。主には経過措置や改定時点で出されていた内容だとは言え、少々面倒な改定となりそうですので、少し整理しておきたいと思います。

令和6年10月改定

改定の内容は
 ①医療情報取得加算の見直し
 ②医療DX推進体制加算の見直し・・・マイナ保険証の利用率に伴うもの
 ③長期収載品の選定療養費について
この3点です。②については、もともと、経過措置の一つだった「マイナ保険証の一定以上の利用率」が発表されたもので、①については、令和6年12月以降マイナ保険証の有無に拘らず、施設基準を満たす場合は1点を算定することとされました。それと長期収載品の選定療養費についてです。
詳細についてはそれぞれに別途解説していきたいと思います。

出典/中医協_総-9(R6.7.17)資料より

③長期収載品の選定療養については、対象医薬品のリストも公開され、疑義解釈通知も出てきました。徐々に明らかになってきていますが、院外処方だけではなく、注射薬剤も対象となっているところ等、少々頭が痛いなという印象を持っています。

弊社のコラムの中で解説していますので、ぜひご覧ください。

 ※①②医療情報取得加算、医療DX推進体制整備加算については ⇒(こちら)
       令和6年度診療報酬改定(10月改定速報)
         ~医療DX推進体制整備加算及び医療情報取得加算の見直し~

 ※③長期収載品の選定療養費については ⇒(こちら)
       令和6年度診療報酬改定~長期収載品の選定療養②~

9月末までの経過措置も!

厚生労働省で「令和6年度診療報酬改定について」という改定の特設ページの中で、「令和6年度診療報酬改定に係る施設基準届出チェックリスト」が公開されています。今回の改定では、細かく施設基準の経過措置が設定されていて、その経過措置の期限を整理されているものになります。

 ※「令和6年度診療報酬改定に係る施設基準届出チェックリスト」の一部訂正については(こちら)
   ⇒厚生労働省_事務連絡(9)3_(令和6年6月5日事務連絡)

病院では入院基本料にかかる看護必要度や総合入院体制加算、急性期看護補助体制加算、等の急性期にかかるものや、入退院支援加算、地域包括ケア病床(病棟)などがあります。関連の医療機関は必ず確認をして対応してください。

また、今回、診療所に関してもいくつか経過措置があります。
地域包括診療加算、地域包括診療料、有床診療所療養病床入院基本料、外来腫瘍化学療法診療料1、そして、在宅時医学総合管理料の注14(施設入居時等医学総合管理料の注5の規定により準用する場合
を含む。)に規定する基準について要件の追加があります。関連の診療所はご対応をお願いします!

再度確認していただき、届出の漏れがないようにしましょう!

まとめ

今回の令和6年度診療報酬改定は、これまでになく、細かく経過措置が提示され、さらに、10月からの改定として諮問・答申が出されています。長期収載品の選定療養については、入院中に使用する薬剤は除外されていますが、外来(処方・注射)の使用薬剤だけでなく、在宅医療で使用される薬剤も対象とされています。除外要件が設定されていますし、除外した場合はレセプトへのコメント記載することが必要になります。先生方だけでなく、事務職員さんも看護師さんもどのような改定であるか、理解しておく必要があると思います。少々大変ではありますが、頑張っていきましょう!!

<参考資料> 令和6年9月6日確認

医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算の見直しについて(厚生労働省保険局医療課)(令和6年7月17日)

後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について(厚生労働省)

令和6年度診療報酬改定について(厚生労働省)⇒令和6年10月1日から適用のものをご確認下さい!
 【省令・告示】
  (2)2_診療報酬の算定方法の一部を改正する告示
          (令和6年厚生労働省告示第262号)※令和6年10月1日から適用
  (2)3_診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)
         ⇒医科点数表_別添1様式 ※歯科、調剤もありますご確認ください
  (3)2_基本診療料の施設基準等の一部を改正する告示
          (令和6年厚生労働省告示第263号)※令和6年10月1日から適用
  (3)3_基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)
         ⇒医科_施設基準等
  (4)2_特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件 ※令和6年10月1日から適用
          (令和6年厚生労働省告示第264号)
  (4)3_特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)
          (令和6年3月5日保医発0305第6号)
  (14)3_「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について(通知)
          (令和6年3月27日保医発0327第5号)

 ※歯科についても同様に令和6年10月1日から適用のものがあります。ご確認ください。

2024年9月14日

著者紹介

長 幸美
医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント

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