「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」(2024年・日本)

森 𠮷隆

その他

 低予算、無名のキャストながら1作目(2021年)の好評を受け、2023年に続編、今回が3作目(TVシリーズも現在放送中だとか)。予算も増えたのか、舞台は東京から宮崎に、キャストも新たに池松壮亮、前田敦子が加わり前作より内容がパワーアップした印象。

 女子高生仲良し2人組、実は裏の稼業は殺し屋…で始まった1作目。学校卒業後、共同生活をしながら社会に順応しようと四苦八苦する姿をまったりユルユルと描きながら、一方キレキレかつバイオレンス満載の2人の殺人遂行の完璧な仕事ぶり、この激しいギャップが生み出すコントラストがこのシリーズの魅力。

 今回は宮崎で一仕事終え、現地で観光を楽しむ2人。しかし次の任務遂行先で、凄腕の一匹狼の殺し屋と鉢合せし対峙する事に…。まぁストーリーやディテールに関しては正直ツッコミどころ満載(笑)ではあるのですが、今回も目を見張るのはアクションシーン。主人公2人(髙石かおり・伊澤沙織)と、敵役を演じる池松壮亮、この3人を中心に前作以上に激しく繰り広げられます。恐らく殆どスタントを使わず過激なシーンを演じたであろう3人の身体能力の高さにも正直驚かされ、日本映画でもここまでアクションシーンを演出できるのかと感心しました。

今回そのバトルを重視したせいか、前2作にあった、いい意味で、のんべだらりとした脱力系おトボケ感はやや控えめ。とはいっても時折見せるユーモアはこのシリーズならでは味わいをもたらしてくれています。出来れば4作目も期待したいところです。

著者紹介

森 𠮷隆
人事コンサルティング部 労務コンサル課 シニアコンサルタント
(特定社会保険労務士)

「WOWOW映画王選手権」2001年、2002年本戦連続優勝、2011年本選準決勝進出、2013年本戦準々決勝進出。2012年「スカパー!映画クイズ選手権」本選優勝。映画検定1級(2014年は首席合格)。

制作者の直近の記事

コラム一覧に戻る
お問い合わせ

PAGE TOP