【介護保険あれこれ】地域医療構想について

長 幸美

アドバイザリー

平成27年4月1日厚生労働省より地域医療構想が発表されました。

地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するため、平成27年度以降、都道府県は医療計画において地域医療構想に関する事項を定めるものとされています。
また、診療に関する学識経験者の団体その他の医療関係者等行政との間で協議の場を設け、地域医療構想の達成を推進するために必要な事項について協議を行うものとされているところでございます。

これを受けて「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」において、「地域医療構想策定ガイドライン」「地域医療構想調整会議の設置・運営に関する事項」等について検討が行われてきました。

この地域医療構想では、二次医療圏の見直しのもとになる、高度急性期機能、急性期機能及び回復期機能の医療需要を、レセプトデータを基にしたナショナルデータベースをもとに、線引きをされております。そして、今後、高齢化により増大する医療需要に対応するためには、病床の機能の分化及び連携により、平成37年(2025年)には、現在の療養病床以外で対応可能な患者は在宅医療等での対応を促進するとともに、在宅医療等の充実を支援していくことが必要であると考えられています。

病床の機能分化とともに、「在宅医療の充実」と「認知症対応」について重点的な検討とされていることは周知のことと存じますが、この医療計画の中においても、「地域包括ケアシステム」を実現するための重要な要素として、「日常圏域の評価」とともに、「退院支援」「日常療養生活の支援」「急変時の対応」「看取り」の体制確保として重要視されております。
また、これらの実現のための重要な要素として「人材の育成・確保」も重要な課題とされており、今回の介護報酬改定でも重要課題として評価されております。

今後の取組として、都道府県は、構想区域等ごとに「医療関係者」「医療保険者」「その他の関係者」との地域医療構想調整会議を設け、関係者との連携を図りつつ、地域医療構想の達成を推進するために必要な協議を行うものとされています。
また、今後 病床機能報告の結果をもとにどのように協議が進んでいくのか、注目されるところです。

地域医療構想(クリックすると厚労省のホームページにジャンプします)

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著者紹介

長 幸美
医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント

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