「中小企業の会計に関する指針」って?

佐々木総研

税務・会計

ずいぶんと堅苦しい言葉ですが、中小企業経営者の皆様には是非とも理解しておいて欲しいものです。なぜなら、この「指針」に準拠して決算を行い、「指針」が適正に適用されている決算書であることを顧問税理士に確認してもらうと、金融機関との取引にいくつかのメリットがあるからです。(実際の確認方法は所定の「チェックリスト」に税理士が押印したうえで、それを金融機関に提出する形で行なわれます。) 例えば、信用保証協会の保証料率割引制度の適用条件や、日本政策金融公庫の融資制度の利用条件になっており、また金融機関によっては独自に有利な融資条件を適用しているケースもあるようです。何よりも大きなメリットは、多額の未処理の不良資産が隠されていないこと、簿外の隠れた債務が存在しないこと等、貴社の決算書に対する信用力がアップすることで、必ずや貴社の強い武器になることでしょう。この「指針」が制定されたきっかけは、株式上場企業に対する会計基準の国際化が急ピッチで進んでおり、「時価主義会計」が常識になる中で、非上場企業においても重要な項目については同様の会計基準を簡便化して適用すべきというものです。具体的な項目や内容は多岐にわたりますが、法人税法が定めた方法(=無税処理) の枠を超え、経営実態に即した会計処理を積極的に要求するものです。例えば、棚卸資産の時価評価、任意の減価償却は認めないこと、退職給付引当金の計上などの項目があります。

「指針」適用にあたっては、金融機関のみならず、弊社担当者にも是非お問い合わせください。具体的な導入方法について、貴社の経理内容を熟知している会計事務所のアドバイスが不可欠だからです。「指針」適用には、短期的には難しい局面もあるかも知れませんが、長期的には必ず貴社の信用力アップに繋がることは間違いありません。

なお、「中小企業の会計に関する指針」や「「中小企業の会計に関する指針」の適用に関するチェックリスト」は「日本税理士連合会」「全国信用保証協会連合会」のホームページから入手することができます。

財務コンサルティング部 第三部 公認会計士

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