不動産賃貸経営で大切なこと
佐々木総研
税務・会計事業として収支を考えた場合、大きく収益を得る経営というより、不動産を所持する目的を達成できて、なおかつリタイアした後の年金代わりになることが望まれます。目的は相続対策、不動産の所在する地域の需要に応える、年金代わりなど様々。新たに不動産賃貸経営を始めるにあたり、事業収支を考えてみましょう。
収入となる賃料は空室率を誤らないこと。該当地域の情報をよく持っているのは近隣の不動産業者なので、よくヒアリングをすること。費用となるものは限られていますが建築費以外にどのようなものがあるか列記してみます。
土地、建物の公租公課
固定資産税(固定資産税評価額の1.4%)
都市計画税(固定資産税評価額の0.3%)
<住宅用地・家屋の場合の課税標準特例>
土地 | 固定資産税 | 都市計画税 |
---|---|---|
200㎡まで | 6分の1 | 3分の1 |
200㎡超 | 3分の1 | 3分の2 |
家屋床面積 | 固定資産税 | 都市計画税 |
120㎡以下 |
3~5年間 2分の1 |
― |
損害保険料
火災保険にプラスして施設賠償保険も検討要。
生命保険料
法人化することで借入保障の生命保険料は経費化できる。
借入金金利
収支に大きくかかわる借入金返済額だが、経費に算入できるのは金利のみである。定期的に金利見直し要。
減価償却費
建物・建物付属設備、設計監理料、公共負担金、近隣補償費など。
維持修繕費
建築当初は必要ない修繕費も10年を超える頃かなり必要となる。家賃の1室分くらいは毎月積み立てておきたい。借入保障を兼ねて生命保険で備えることも可能。
維持管理費
管理会社への委託料など。
一旦決めた家賃収入を上げることは難しい中、費用を節約することも大切ですが、不動産の価値を維持するためにはむやみに節減することは得策ではありません。細く長く賃貸経営を続けることで、満室にすることが大切で、最終的に年金代わりになるものです。
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