【医療介護あれこれ】リハビリテーションの変更点②:維持期リハビリテーションと目標設定等支援・管理料
長 幸美
アドバイザリー目標設定等支援・管理料については、介護保険サービスへのスムーズな移行を目指す目的で、今回の改定で新設されたものになります。減算は平成28年10月1日からになります。
該当する患者は、脳血管疾患リハビリ、運動器リハビリ又は廃用症候群リハビリを算定する「要介護・要支援者」が対象となります。
また、算定に対しては、医師及び多職種が共同して目標管理等支援・目標シートを作成・交付・説明し、シートの写しをカルテに添付すること、説明を受けた患者の受け止め方や理解度をカルテに記載することが求められています。
維持期のリハビリテーションへ移行した場合の「介護保険リハビリテーション移行支援料」や「リハビリテーション総合計画評価料」は同月併算定できるものとされていますので、ご確認ください。
目標管理にかかるQ&A
Q | A |
対象患者は? | 脳血管疾患等リハビリ、廃用症候群リハビリ、又は運動器リハビリを実施している、要介護・要支援者 |
必要な指導とは? | 定期的な医師の診察、運動機能検査又は作業能力検査等の結果、患者との面接等に基づき、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士等の多職種が患者と共同して、個々の患者の特性に応じたリハビリテーションの目標設定と方向付けを行い、またその進捗を管理する。 |
必要な書類 | 目標設定等支援・管理シート(別紙様式23の5又はこれに準じた様式) 患者に交付し、その写しをカルテに添付 |
進捗管理の内容 | 医師及びその他の従事者が共同すること 医師による説明⇒説明の内容及び患者等がどのように受け止め、反応したかカルテに記載 ア 現時点までの経過 イ 当該医療機関における治療会指示及び説明時点のADL評価 (BI又はFIMによる評価の得点及びその内訳を含む) ウ 説明時点における患者の機能予後の見直し エ 当該患者の生きがい、価値観等に対する医師及びその他の従事者の理解や認識及びウの機能予後の見通し等を踏まえ、どのような活動、社会参加の実現を目指してリハビリテーションを行っているか又は行う予定か オ 現在実施している、又は今後実施する予定のリハビリテーションが、それぞれエの目標にどのように関係するか |
その他の指導 | 必要に応じて、介護支援専門員と協力して訪問リハビリ、通所リハビリの事業所を紹介し、見学体験を提案する(入院外のみ) |
併算定 | ・リハビリテーション総合計画評価料は同一月に併算定可能 ・介護保険リハビリテーション移行支援料は入院外のみ併算定可能 |
給付調整 | 当該管理料算定3月以内介護保険におけるリハビリテーションを体験する目的同一疾患について、リハビリテーションを行った日以外に月5日間を超えない範囲で、介護保険のリハビリテーションを行う事ができる ・この場合は「移行」とみなされず、「医療保険における疾患別リハビリテーションが終了する日」を記載する必要はない |
リハビリ料減算の対象 | 2016年10月1日以降脳血管リハビリ・廃用症候群リハビリ・運動器リハビリを算定する要支援・要介護者・それぞれの算定上限の1/3を経過後、直近3月以内に目標管理等計画・支援料を算定していなければ所定点数の90/100となる ・算定上限の1/3とは・・・脳血管疾患リハ(60日目)、廃用症候群リハビリ(40日目)、運動器リハビリ(50日目)・入院患者も減算の対象 |
「維持期のリハビリテーション」とは、算定日数上限を超えている患者のうち、リハビリテーションを継続しても改善が期待出来ない患者に対して、状態の維持を目的に実施するリハビリテーションのことをいいます。
したがって、維持期のリハビリテーションの対象は「要介護・要支援者」に限られたものではありません。特に算定の期限はありませんし、入院・外来を問わず、減算が発生します。今回の改定で、減算額が所定点数の90/100から60/100に拡大されました。さらに、過去1年間に通所リハビリテーションの実績を届出ていない医療機関については80/100に減算を行う事が必要となり、最大で48/100と半額以下の請求しかできなくなりました。
<維持期のリハビリテーション>
<要介護・要支援者に対するリハビリテーションの算定点数>
経営コンサルティング部
経営支援課
著者紹介
- 医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント
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