「1円単位運賃」を認める
株式会社 佐々木総研
税務・会計国土交通省が、公共交通事業におけるICカードの利用の普及等を踏まえ、来年4月の消費税引き上げに伴い、1円単位運賃を導入する考えを示しました。運賃改定の申請があった場合、消費税引き上げをより正確に転嫁する観点からこれを認める方針で、よって運賃は10円単位との並立となります。
現金運賃は自動券売機等での小額硬貨の取り扱いや利用者利便の観点等から10円単位としますが、ICカード運賃は現金運賃と同額ないしそれより安価になることが基本となります。この取り扱いは鉄道・バスで異なります。
具体的には、鉄道運賃の端数処理はICカード運賃が現金運賃より高くならないよう現金運賃の「切り上げ」を認める一方、バス運賃はついては現金利用の割合が高いことを考慮し、四捨五入を基本にICカード運賃が現金運賃より高くならないように同額と認めています。
この1円単位運賃の導入についてJR東日本は導入の見込みですが、JR西日本・東海は否定的な見解を示しており東西で対応が分かれるようです。なお、旅客船、タクシー、航空について導入は予定されていません。九州の鉄道、バス事業者で1円刻みの運賃値上げの動きはなく、両者は来年4月に運賃を改定し、税率の引き上げに合わせ値上げする方針です。
財務コンサルティング部 第一部
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