【医療介護あれこれ】クリティカルパスと看護記録について(QAより)

長 幸美

アドバイザリー

今回は弊社に寄せられたQAから考えてみたいと思います。
「クリティカルパスを活用してカルテの記録の省力化を考えています。
記録上注射や投薬、検査、食事の指示など、クリティカルパスを代用し、指示及び伝票、記録として問題ありませんか?」

さあ、皆さんも一緒に考えてみましょう。

クリティカルパスの本来の目的は、「医療の標準化・効率化」を目的に考案されたもので、入院から退院までの治療や検査などを計画し、それを時間軸に沿ってまとめた「治療計画表」のことをいいます。医療職だけではなく、患者に向けて治療計画の説明等、可視化する意味で、とても有効なものです。

従って、入院治療計画書や、治療の説明の一つの資料として活用することがとても有効だと思います。しかし、本来のクリティカルパスの性質上「記録」や「伝票」「オーダー表」には適さないと考えます。
クリティカルパスに準じて記載用の書式を考えることは良いと思いますが、記録用の書式については別途準備されることをお勧めしたいと思います。

質問の中にある「記録」については、「いつ」「所見(観察)」「誰が」「何をしたか」というものであり、計画書の中に記載するということは不適切であると思います。計画書の書式に準じた形で、記録の要件に沿ったものを準備されることを検討されてみては如何でしょうか。

また、クリティカルパスはあくまでも「経時的に可視化された治療計画書」であり、払い出し等を目的としたものではありません。各部署の混乱を避けるためにも、指示やオーダーについては伝票を活用されるのが良いのではないかと思います。

皆様の医療機関ではどのように対応されているでしょうか?
これを機会にご検討されてみるのもよいかもしれませんね。

医業経営支援課

著者紹介

長 幸美
医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント

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