【医療介護あれこれ】接遇レッスン「挨拶はコミュニケーションの第一歩」

長 幸美

アドバイザリー

接遇5原則の中の「挨拶」について、考えてみましょう!
「挨拶」はあまりにも日常的で、当たり前のことの為、その重要性を見過ごしがちです。社会人としては基本中の基本・・・挨拶はできてあたりまえなのですが、場面ごとに適切な「挨拶」ができているかどうかで、相手に与える印象は大きく違ってきます。
この「挨拶の仕方」で、あなただけではなく、職場が評価されていることを忘れてはいけません。

「挨拶」とは、顔を合わせたときや礼儀として行われる言葉や動作のことを言います。まずは言葉の意味を見ていきましょう。
もともと、挨拶は、「挨」は押す、「拶」はせまるという意味があり、禅宗において、僧が問答を繰り返しあうことから発祥したといわれています。
また、「あい」には心を開く、「さつ」には心に近づく、という意味もあり、相手の心を開かせ、近づいていくという積極的なコミュニケーション行為なのです。
つまり、「あなたとの出会いに感謝します。よろしくお願いいたします」という人間関係をスタートさせるための第一歩ともいえるのです。

さて、これだけ大切な「挨拶」ですが、大事なポイントは三つ。
それは ①アイコンタクトと笑顔、②明るい声と言葉遣い、③丁寧なお辞儀、です。

① アイコンタクトと笑顔
「笑顔」を向けられて不愉快になる人はいません。「笑顔」には「親しみ」「安心感」「信頼感」というプラスの働きがあるばかりか、ストレスを和らげる効果などがあります。
相手の目を見て、笑顔を向けることで、相手は「自分を認めてくれている」という認識を持ちます。良い関係の第一歩ですね。

② 明るい声と言葉遣い
通常の会話より、ワントーン上げるイメージで挨拶するようにすると、いいでしょう。また、その際の言葉遣いに気を配りましょう。かけた言葉の本のちょっとした違いで、「丁寧な人だなあ」と評価が上がったり、「乱暴な人だ」と悪いイメージがついたりします。挨拶の際の言葉は、「相手への気遣いの想い」を伝えるためのものです。安心感や信頼感を与える言葉遣いを心がけましょう。
また、院内のスタッフ同士の気持ちの良い声掛けは、患者さまやそのご家族様、出入りの業者様方にとっても、「気持ちの良い職場」という好印象を与えます。

【社会人といての挨拶10選】
出勤時 :「おはようございます」
外出時 :「行ってきます」
帰社時 :「ただいま戻りました」
帰宅時 :「お先に失礼します」
他の職員の外出時:「行っていらっしゃい」
他の職員の帰社時:「お帰りなさい」
他の職員の帰宅時:「お疲れ様です」
入室時 :「失礼します」
退室時 :失礼しました」
依頼する場合:「よろしくお願いいたします」

③ 丁寧なお辞儀
お辞儀をするタイミングをどうしたらいいのでしょうか、ということをよく聞かれます。タイミングは「語先後礼」といって、相手にきちんと言葉を届けてから、お辞儀をするといいと思います。
また、お話をされている途中にすれ違う場合や横を通る場合には、立ち止まり目礼することでも十分です。その場の状況に応じて使い分けるようにしましょう。
皆さんの相手の方への気持ちを込めていくことで、丁寧なお辞儀はできるようになると思います。

すべてのコミュニケーションに通じるのが、挨拶です。現在、コロナ禍の為、リモートワークが増え、直接顔を合わせなくても意思疎通が可能になってきていますが、人と人とがやり取りをする上で挨拶が必要ではなくなるということはないでしょう。
コミュニケーションをとるうえでの最初のステップであり、第一印象を決めたり、その後の相手との距離感を縮めることにも役に立ちます。社会人としてのコミュニケーションスキルの基本で、どの業種でも必須の項目ですので、気持ちよい挨拶ができるように気を配りましょう。

医業経営支援課

著者紹介

長 幸美
医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント

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