所有者不明土地等に係る固定資産税の見直し
内之倉 亨
税務・会計4 月になり、固定資産税や自動車税の納付書が届く時期になりました。ご存知のとおり固定資産税は、毎年1 月1 日に不動産登記簿に登記されている所有者に納付義務があり、この所有者へ納付書が郵送されます。通常は不動産登記簿にて所有者が確認できますが、相続後の登記漏れ等で不動産登記簿では所有者が不明となる事例も増えているようです。
所有者が不明の土地については、不動産の取引に支障がでるだけではなく、固定資産税の徴収漏れも発生しています。固定資産税の徴収漏れ等を防止するため、令和2 年度税制改正にて所有者が不明となっている不動産について主に2 点の措置が取られることになりました。
① 現に所有している者(相続人等)の申告の制度化
市町村は条例で定めるところにより、不動産の所有者であることを知った日の翌日から3 月を経過した日以後の日までに、現所有者の住所及び氏名等、固定資産税の徴収に必要な事項を申告させることができるようになりました。
② 使用者を所有者とみなす制度の拡大
市町村が不動産の所有者を決定するために必要な調査(住民票や固定資産の調査、使用者等からのヒアリング等)を行ったにもかかわらず、所有者が決定できない時は、使用者を所有者とみなして固定資産税を課すことができるようになりました。
上記の内容については、令和3 年度の固定資産税から対象になります。これまで固定資産税が課されなかった方についても、固定資産税が課されるかもしれません。
税務会計4 課
著者紹介
- 税務会計コンサルティング部 税務会計3課
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