税務関係書類の押印義務の見直しについて
峯 良輔
税務・会計行政手続の押印義務の見直しが進んでいます。河野太郎内閣府特命担当大臣は昨年11 月に行った記者会見で「押印を求めている行政手続きのうち、99%以上については押印の廃止を決定する、あるいは廃止の方向で準備する」と発表しました。
この発表の後、昨年12 月に令和3 年度税制改正大綱が閣議決定されましたが、大綱では令和3 年4 月1 日以降に提出する税務関係書類の押印義務の見直しが明記されています。また、国税庁のホームページでも「税務署窓口における押印の取扱いについて」と題して、押印義務の見直しについて記載がされています。具体的には、次に掲げる書類を除いて押印を廃止するとされました。
① 担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類
② 相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち、財産の分割の協議に関する書類
押印が廃止される書類は、これまで認印で可とされたものです。主な例を挙げると、確定申告書・給与所得者の扶養控除等申告書や保険料控除申告書といった年末調整書類・各種届出書などが該当します。一方で上記①②のように実印と印鑑証明書の提出が求められる書類は今後も押印が必要になります。このため、相続税申告の際に添付する遺産分割協議書の写しなどはこれまでどおり実印を押印したものを提出することになります。令和3 年4 月1 日以降に税務関係の手続をされる際にはご留意ください。
税務会計1 課 マネジャー
著者紹介
- 税務会計コンサルティング部 次長
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