【医療介護あれこれ】レセプトが査定されたときは?(QAより)
長 幸美
アドバイザリー医療機関では、診療報酬の請求後に支払い側の審査を受け、その結果、「保険診療として不適切」という判断をされた場合、「減点・査定」され、差額が診療報酬として振り込まれる、という仕組みがあります。
ある医療機関の方から、「レセプトが査定されてきました、どうしたらいいでしょうか?」という質問を受けました。この他にも、「レセプトで査定された項目は、次から算定しないようにしているのに、どんどん査定は増えていく・・・診療するなということなのか?」
というお声をお聴きすることがあります。
皆さまの医療機関ではどのようにされていますか?
今日は、ㇾセプトの査定された場合の対処について考えてみたいと思います。
■なぜ査定されるのでしょうか?
「査定」とは、医療機関で作成した請求を審査した結果、過剰あるいは不必要、処方内容が適切でないなどと判断された場合に増減額が行われることです。
医療機関としては、患者に対し行った医療行為について認められず減額される為、冒頭の質問のようなお悩みが増えてきます。
■まずは査定内容を検証しましょう!
事務の皆さんに行ってほしいのは、「査定内容を確認する」ということです。
査定理由を確認し、その時点のレセプトを見て「病名の漏れは無いか」「数量に誤りはなかったか」「診療の基本ルールに則って実施しているか?」「コメントは漏れていないか」「保険請求のルールを逸脱していなかったか」などを見ていきます。これはレセプト点検を行うのと同じですね。
この時に、注意してほしいのは、「何のために」ということです。
査定された内容について、「医学的に妥当であり、必要なものだった」ということが確認され、病名や数量、にも問題がなければ、「異議申し立て」を行うことができます。
■再審査請求はしたほうが良い!
当院に落ち度がなく、「患者の加療のために必要なこと」だったということが確認されたら、再審査請求を行いましょう!手間も時間もかかりますし、結果は「原審通り」といって、査定されたまま確定される場合がありますが、放置していると「医療機関も間違えを認めた」と解釈され、2年間分ほどの同じ内容の他の患者の査定を受けることになります。ほかにも間違えがあるかも・・・とされ、査定が増加することもあります。
■査定を減らすためには・・・
何か特効薬があるわけではありません。
また、これまでは、審査機関により査定されたりされなかったりと差が生じていました。今後審査は機械化していくことが決められていますので、審査の標準化にも一役買ってくるのではないかと期待しています。その反面、「医師の判断であれば・・・」と、寛大にみてくれていたものがどうなるのか、不安はありますが・・・いずれにせよ、レセプト作成時に「病名漏れ」「コメント漏れ」を始め、レセプトチェッカー等、レセコンの機能を活用し点検することが必要になると思います。
医業コンサル課
著者紹介
- 医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント
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