【令和4年度診療報酬改定】改定率について

長 幸美

アドバイザリー

令和4年度診療報酬改定の改定率が出されました。

診療報酬 +0.43%、薬価 ▲1.35%、材料価格 ▲0.02%

社会保障審議会(医療保険部会・医療部会)がとりまとめた『令和4年度診療報酬改定の基本方針』では、4つの視点の中でも、次の2点が重点課題として位置づけられています。
① 新型コロナウイルス感染症にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築
② 安心・安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等推進

少子高齢化が進み、高齢者人口がピークを迎える2040年に向けて、医療提供体制の展望を見据え、地域の生活を支えるための平時の仕組みと、新興感染症流行時には即座に対応できるように「持続可能な社会保障制度」を実現することで、国民の安心を高めることが可能になると考えられています。
住み慣れた地域において質の高い医療・介護を受けるために、「かかりつけ医」を中心とした切れ目のない医療・介護提供体制が確保されるように、医療と介護、地域の連携を強化する必要があると考えられており、今回の改定でも重要視されています。

■医療機能の分化・強化
急性期機能、回復期機能、そして、生活を支える「かかりつけ機能」・・・一つの医療機関がすべてを行うことはできません。コロナ対応でも、この役割分担と、それぞれの医療機能の強化が求められていました。「かかりつけ機能」の見直しが行われるのではないかと考えています。
地域包括ケアシステムの中で、生活を支えていく上では、「かかりつけ機能」は医師も薬剤師も看護師も、とても重要です、専門医療に特化している医療機関以外は「かかりつけ機能」を担ってほしいと思っております。

■看護における処遇改善
「コロナ克服」を掲げる中で、地域でコロナ医療等の一定の役割を担う医療機能について、看護職員を対象に処遇改善の仕組みを創設することが決まっています。介護・障害福祉の処遇改善加算の仕組みを参考にすることが言われております。どのような形になるのか注目していきましょう。

今回の改定を読み解いていく上でぜひ一度目を通していただけたらと思います。

<参考資料>
■中央社会保険医療協議会総会資料(20211224)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00131.html

■中医協20211224「診療報酬改定について」
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000872457.pdf

■令和4年度診療報酬改定に対する二号(診療側)委員の意見
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000872466.pdf

医業コンサル課

著者紹介

長 幸美
医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント

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