【令和4年度診療報酬改定】リフィル処方箋について

長 幸美

アドバイザリー

今回は「リフィル処方箋」について話を進めていきたいと思います。
このリフィル処方箋、医師会としても「大反対!」
しかし、今回の改定を見ていて、安易に無視してしまうことはできないのではないかと思います。さて、どういうことでしょうか?
今回はこのリフィル処方箋がどういうものか見ていき、活用方法などを考えていきたいと思います。

■リフィル処方箋とは?
医師の診察を受けなくても薬を受け取れる仕組みであり、その際に使える処方箋のことです。
診療所・病院の先生は、処方箋の様式が見直され、 「リフィル可  □(    回)」にチェックをしていけば、あとは調剤薬局が対処してくれます。

処方箋等の見直し
(出典:20220304_厚労省「令和4年度診療報酬改定の概要」より」

リフィル処方箋のチェック欄に「☑レ点」を入れることにより、患者は診療を受けずに処方を受け取れることになります。つまり、診療を受けない=診療費は医療機関には入ってきません。

いわば、リフィル処方箋を活用することは、患者様の来院回数を減らすことになります。
「だから、リフィル処方箋には反対!」・・・果たして本当にこれでよいのでしょうか?
私はそんなに簡単なことではないと思います。だって、その処方は先生が指示をしたものですから・・・。

■地域包括ケアシステムについて
今回の改定は大局を見ていくと、「地域包括ケアシステムを推進する」こと、非常にわかりやすくなっています。連携やそれぞれの機能を実践する医療機関にはプラスが様々についていて、なんちゃって〇〇の医療機関については、とても厳しい内容になっています。

このリフィル処方箋の目的は何でしょうか?
治療を継続させることではありませんか?特に働き盛りの生活習慣病については、いかに継続診療をさせるかということがとても重要になるのではないでしょうか?

■生活習慣病医学管理料、地域包括診療料、オンライン診療と一緒に考えてみる
リフィル処方箋は、診療をしないで、同じ処方を受け取れるものです。
だからと言って、患者の状態を把握していなくてよいのでしょうか?
そうではないと思います。その間の状態を把握するために、調剤薬局の薬剤師がいると思うのです。患者の状態を聞きとり、通常の診療よりも、情報収集には気を使い、対面診療以上に把握する努力をされるのではないでしょうか?それであれば、しっかりと管理料を算定されませんか?!

生活習慣病医療管理料や地域包括診療料については、1月の管理料としては算定しにくいものかもしれません。しかし、それが3月に1回だったらどうでしょうか?
患者さんも納得されるのではないでしょうか?
もちろん、メリットを感じていただくように工夫する必要があると思いますが、算定できる可能性はアップするのではありませんか?

■継続診療を行うことの重要性
目先の収入のことを考え「リフィル処方箋は反対」「うちは対応しない」と言ってしまうことは簡単です。しかし、そのために患者がよその医療機関に逃げ行ってしまう可能性も検討すべきではないでしょうか?
将来を見据え、患者様の仕事を含めた生活全般について相談ができることがとても大事だと思います。つまり・・・診療の中断を減らすということです。
リフィル処方箋とともに、オンライン診療も含めて考えてみては如何でしょうか?

■患者の診療を継続するということ
患者の診療中断を減らすことが、生活習慣病にとって、とても重要なことに思います。
オンライン診療も解禁になった今回の改定、患者さまの生活様式にもこれまで以上に配慮し、重度化防止や仕事をしながら治療を継続していく、また、介護・育児を行いながら健康サポートをしていく視点が必要になってきています。
リフィル処方箋に限らず、「治療継続」し、「一病息災」で長く地域の中で社会生活ができることをサポートしていくということも検討していくことも必要なのではないかと感じています。

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医業コンサル課

著者紹介

長 幸美
医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント

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