社労士モリの映画あれこれ~「ライトスタッフ」(1983年:アメリカ) ~

森 𠮷隆

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現在大ヒット中の「トップガン マーヴェリック」で、トム・クルーズ扮する主人公が、テストパイロットとしてマッハ10を目指す冒頭のシーンは、まさしくこの作品が元ネタ。
本作で宇宙飛行士役を演じたエド・ハリスを同シーンで登場させている事からもオマージュを捧げているのは明らか。
最近タイミング良く「午前十時の映画祭」で、久し振りに劇場で再見。3時間を超える長尺ですが、今回も色褪せることない魅力を感じました。

物語は1947年に、人類初の音速(マッハ1)を破ったことをきっかけに、アメリカは有人宇宙飛行を成功させるため、7人を宇宙飛行士として選抜、彼らが宇宙に旅立つまでの、いわゆるNASAのマーキュリー計画を描いた実録ドラマ。
過剰なマスコミ取材や当時冷戦下でソ連への対抗心むきだしの政府の圧力にさらされ、国家の英雄に祭り上げられながらも、それらに屈せず自らの信念を貫き通し、かつ危険な任務に命を懸けて挑む誇り高き7人の男たち。これだけでも十分物語として成立した筈ですが、この作品が出色なのは、前述の初めて音速を突破し、更に何度も記録を更新しながら、結局宇宙飛行士になることなく、テストパイロットとして大空に挑み続けたある1人の男の孤高の生き様を、7人のエピソードと並行に描いた点。
こちらの描写も秀逸で、これにより、宇宙飛行士としてふさわしい「ライトスタッフ」(「正しい資質」という意味)とは一体何か?そしてそれを持つ者とは?というテーマを、更に深掘りすることに成功しています。

7人+1人を讃えるかのような勇壮なビル・コンティのテーマ曲も実に印象的(といってもチャイコフスキーの協奏曲にそっくりなのはご愛敬(笑))、まさに男心に刺さる、「漢」の映画の代表格。
男性の私としても、クライマックスの飛行シーンは何回鑑賞しても、鳥肌ものの感動が…。それ故に女性の感想を聞いてみたい作品でもあります。

筆者略歴:森 吉隆(労務コンサル課)特定社会保険労務士。
「WOWOW映画王選手権」2001年、2002年本戦連続優勝、2011年本選準決勝進出、2013年本戦準々決勝進出。
2012年「スカパー!映画クイズ選手権」本選優勝。映画検定1級(2014年は首席合格)。

著者紹介

森 𠮷隆
人事コンサルティング部 労務コンサル課 シニアコンサルタント
(特定社会保険労務士)

「WOWOW映画王選手権」2001年、2002年本戦連続優勝、2011年本選準決勝進出、2013年本戦準々決勝進出。2012年「スカパー!映画クイズ選手権」本選優勝。映画検定1級(2014年は首席合格)。

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