インボイス制度の円滑な実施のための負担軽減措置
山之口 真二
税務・会計 令和5年10月よりインボイス制度が始まります。
インボイス制度とは、インボイス発行事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときに、インボイス(※1)の交付が義務づけられ、買手は仕入税額控除(※2)の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)であるインボイス発行事業者から交付を受けたインボイスの保存が必要になるという制度です。
インボイス発行事業者になるためには、登録申請が必要で登録は課税事業者しか行うことができません。免税事業者(※3)が登録を行う場合、課税事業者となる必要があります。登録を行うかどうかは事業者の任意となります。
3月28日令和5年度税制改正法が成立し、インボイス制度の円滑な実施のため以下の負担軽減措置が盛り込まれました。
①免税事業者がインボイス発行事業者を選択した場合、消費税の納税額を売上税額の2割に軽減する。
(3年間の負担軽減措置)
②基準期間における課税売上高が1億円以下又は特定期間における課税売上高が5,000万円以下の事業
者が行う課税仕入れに係る支払い対価の額が1万円未満の取引につき、帳簿のみで仕入税額控除を可
能とする。(6年間の事務負担軽減策)
③1万円未満の値引きや返品等の返還インボイスについて交付義務を免除。
①については、申告時の選択適用で事前届出不要となっております。
(※1)これまでの「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」、「税率ごとに区分した消費税額
等」の記載が追加されたもの
(※2)消費税額の納税額を計算する上で、課税売上に係る消費税額から控除することができる課税仕入
に係る消費税額
(※3)基準期間(前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下の事業者で納税義務が免除されている
事業者
2023年4月11日
著者紹介
- 税務会計コンサルティング部 審理室 副室長
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