AIツールの発展とシステムエンジニアの仕事について
村瀬 俊昭
DX推進■はじめに
皆さんはニュースでも話題になったOpenAIが公開した人工知能チャットボットChatGPTを利用したことはありますでしょうか?
本コラムではAIを無料で身近に体験できることができるツールChatGPTを題材としてChatGPTってなに?という基本的なことからAIが高性能になるにつれて人間の仕事がどのように変わっていくかをシステムエンジニアの観点から懸念点や展望をお伝えします。
■ChatGPTとはなにか
OpenAIという企業が2022年11月に公開した人工知能チャットボットです。
質問に対してまるで人間が回答してくれているかのような自然な文章を作成して回答してくれます。
■現時点でのChatGPTのメリット・デメリット
・メリット
1.「どのような分野の質問」に対しても回答してくれます。
2.人間が作成したような自然な文章を作成してくれます。
・デメリット
1.質問に対する回答が必ずしも正しいとは限りません。
2.個人情報などがAIの学習データとして使用される可能性があります。
3.最新情報に関する質問は回答できない可能性があります。
(例:本日のオリコンチャート、明日の天気など)
■現時点での ChatGPT利用の注意事項
①ChatGPTは必ずしも正しい情報を回答してくれるとは限りません。
→回答された情報を精査し、情報の真偽をユーザー側が判断する必要があります。
②ChatGPTに個人情報を含めた質問を行った場合、その情報がChatGPTの学習データとして利用される可能性があり、情報漏洩などのリスクが伴います。
→個人情報を含めた質問は絶対に行わないことが重要です。
■AIに対する懸念点・展望
ChatGPTといったAIツールは大変便利ではありますが、システムエンジニアを担当している私の個人的な意見としてはChatGPTのようなAIツールがますます高性能になっていくことに危機感があります。
なぜなら、AIが高性能になることでシステムエンジニアの仕事の大半がAIに置き換わる可能性があるからです。
これはシステムエンジニアだけではなく、他の職種にも言えます。
システムエンジニア職を例とすると以下のような工程が置き換わると考えられます。
<システムエンジニアの工程>
1.要件定義 → AIが要件定義
2.開発 → AIが開発
3.テスト → AIがテスト
特に早い段階で置き換わっていく可能性が高いものは「②開発」の工程だと考えられます。
現状は簡単なプログラムであればChatGPTが人間の何倍も早く作成することができます。
近い将来には複雑なプログラムを作成できるレベルとなり人がプログラムを開発することがなくなると考えられます。
経営する側としては開発に必要としていた人員を削減することができ人件費削減が可能となります。
逆に、雇用されている側としては開発を主としてやっていた人員は仕事がなくなるといった可能性があります。
開発を主として行う人間がエンジニア職として今後生き残っていく場合、以下のようなスキルが必須だと考えられます。
・AIが開発したプログラムが正しいかどうか判断できる専門的知識・経験
・AIが開発したプログラムを即座に修正できる技術
今回はシステムエンジニアの開発工程を例として述べましたが、
ホワイトカラーの事務職などは近い将来AIに置き換わっていく可能性が高いと考えられます。私達人間がAIに淘汰されないためにも、近年話題となっている「リスキリング」に注目し、誰にも置き換えることができないような能力開発を意識して取り組んでいく必要があるのではないかと考えます。
2023年6月15日
著者紹介
- DX推進支援部 ICT活用推進課
最新の投稿
- 2024年8月27日ChatGPTPowerAutomateDesktopのフローを作成してくれるGPTsをチューニングしてみた①
- 2024年8月1日RPA会計システムへの預金通帳明細入力のDX事例
- 2024年4月12日DX推進使いやすいアプリデザインのポイント
- 2024年1月5日DX推進誰でもできるアプリ開発