医療法人における医療機関等情報システム（G-MIS）での報告義務がスタートします

株式会社佐々木総研

2023.10.04 税務・会計

医療法人は毎会計年度終了後3カ月以内に事業報告書等を所轄庁に届け出なければならないとされています。提出書類は所轄庁が検査を行うためでなく、一般市民に公開することが目的とされ、各都道府県の医療法人担当部署（例えば保健所）へ行き、閲覧請求書に必要事項を記入して提出すると誰でも閲覧可能です。最近ではデジタル化による事務負担軽減の観点からインターネットでも閲覧することが出来る自治体が増えてきました。

これまでの事業報告書等とは別に令和5年8月以降に決算期を迎える法人から毎年、会計年度終了後、経営情報の報告が義務化されました。報告は医療機関等情報システム（G-MIS）または紙媒体での郵送で行います。

〇これまでの事業報告書等　

事業報告書…医療法人の概要及び事業の概要
財産目録…法人が保有する資産と負債について一覧にし、財産状況を明らかにしたもの
貸借対照表…法人の事業年度末における資産とこれに対応する負債及び純資産
損益計算書…法人の事業年度中における収支状況
関係事業者との取引状況における報告書…法人の役員またはその近親者との関係取引及び、取引額の多い事業者との取引の状況
監事監査報告書…監査内容・指摘事項・業務執行状況と財産の状況が適正に報告されているかの状況を記載

〇これからは・・・
上記に加えて
　 7.法人の基本情報
　 8.法人の収益・費用の内容
・収益…入院診療収益、室料差額収益、外来診療収益、その他の医業収益
・費用…材料費、給与費（役員報酬、給与、賞与）、委託費、設備関係費、研究費他…
・医業利益、医業外収益、医業外費用、経常利益または経常損失、税引前当期純利益または税引前当期純損失、当期純利益
　 9.病院等の職員の職種別人員数、その他の人員に関する事項
職種別の給与総額、およびその人数に係る職種
以上、報告が求められる経営情報の内容となります。
任意報告の項目もありますので詳しくは厚生労働省のホームページまたは弊社担当者にご確認ください。