社労士モリの映画あれこれ
「SISU/シス 不死身の男」(2023年:フィンランド)
森 𠮷隆
その他フィンランド映画といえばカウリスマキ兄弟の映画を真っ先に思い浮かべてしまい、日本で観られる作品はどちらかというとアート系のイメージが強いのですが、いやいやこんな活きのいい娯楽バイオレンスアクション映画が作られていたとは。
物語は単純明快。1944年第2次大戦中、ナチスの軍隊に対してたった1人で、しかも初老の男が闘いを挑むというもので、字幕なしでもほぼ理解できるのではと(褒め言葉です、念の為)。とにかくこの主人公のオッサン…あ、失礼お爺ちゃんですが、タイトルが示す通り無茶苦茶強い。何百発の銃弾を浴びても…死にません(一応傷は負いますが)、地雷を踏んでも…それでも死にません、戦車の大砲に撃たれても…なかなか死にません、首を吊られても…やっぱり死にません、乗っている飛行機が墜落しても…もういいか(苦笑)。
鑑賞しながら思わずオイオイとツッコミどころ満載なのですが、雪が残る北欧の寒々しさが感じられる画面と、それに反するように繰り広げられる熱のある(ありすぎてかなりの残酷シーンはありますが)かつ趣向を凝らしたバトルシーンが対となって、このコントラストがある種の美的センスをも感じます(褒めすぎかな)。まるで「ランボー」の主人公と「マッドマックス」の世界観を足したようなイメージに近いかなと。 主人公は終始無言、叫び声とかうめき声はありますが、セリフは一切なしと思ったら、最後の最後に一言。まさにお約束通りのB級映画感覚のノリが楽しい作品でした。
著者紹介
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人事コンサルティング部 労務コンサル課 シニアコンサルタント
(特定社会保険労務士)
「WOWOW映画王選手権」2001年、2002年本戦連続優勝、2011年本選準決勝進出、2013年本戦準々決勝進出。2012年「スカパー!映画クイズ選手権」本選優勝。映画検定1級(2014年は首席合格)。
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