人工知能の台頭 -情報伝達手段の進化とその影響- 

綾部 一雄

DX推進

情報の伝え方は、時間が経つにつれて大きく変わってきました。昔は、紙に手書きで情報を残していたのが、今ではデジタルデータとしてインターネット上に情報があふれる時代になりました。紙が発明されてから2100年以上が経ち、電話や電信が生まれてからも100年以上の歳月が流れています。この変化は、情報を伝える方法だけでなく、情報にアクセスする速さや保存の仕方まで、私たちの生活に大きな影響を与えてきました。

そして今、私たちはさらに大きな変化の波、AI(人工知能)の進化を目の当たりにしています。AIは過去数十年間で数回ブームがありましたが、ここ最近では特にその進化が加速しています。最初は単純なテキスト処理から始まったAIですが、今では画像や音声、動画などさまざまなタイプのデータを理解し、処理することができるようになりました。

Googleが開発したGemini1.5PROのような最先端の技術は、一度に100万トークンのデータを扱える能力を持っており、これは1時間分の動画や、2冊分の小説に匹敵する量です。さらに、研究ではその10倍、約1000万トークンの処理が可能だったと言われています。これは約10時間分の動画や、複数の小説を一気に扱うことができるということを意味しています。

AIのこのような進化は、私たちの生活、ビジネス、学問など、あらゆる面での活用方法について、興味深い議論を呼んでいます。AIがどのように進化していくのか、そしてその速度が今後どれだけ加速するのかについては、多くの人が注目しています。

AIの発展には、技術的なブレイクスルー、資金の援助、そして社会の期待と失望が絡み合ってきました。インターネットの普及やデータの増加、計算能力の向上に支えられ、AI研究は機械学習やディープラーニングに焦点を当てるようになりました。特に、ディープラーニングが2012年のImageNetコンペティションで成功を収めたことは、この分野に新たな時代が到来したことを示しています。

AI技術の進化はこれまでにない速さで進んでおり、私たちの日常生活に深く組み込まれつつあります。技術の進歩は、人間が言語やメディアをどう扱うかの限界を広げ、情報解析やコンテンツ生成、意思決定プロセスに大きな影響を与える可能性を秘めています。これにより、教育、医療、エンターテインメント、ビジネス戦略など、多岐にわたる分野で革新が期待されています。

しかし、この進化をどのように進め、活用していくかには慎重な配慮が必要です。技術の進歩と人間の倫理観とのバランスを見つけながら、AIの潜在能力を最大限に引き出すことが、これからの大きな課題となります。AIの進化は止まることがなく、その進む速度と方向性は、私たちがどのように受け入れ、適応していくかに大きく左右されます。AIをどのように有効活用できるかは、私たちの創造力と責任感にかかっています。

2024年2月22日

著者紹介

綾部 一雄
DX推進支援部 ICT活用推進室課 マネジャー

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