豊かな老後を過ごすために~老後資金の作り方~ 第1回 受給額を知ろう!
渭川 あかり
リスクマネジメント人間は生きていく上で、数々の悩みや不安と向き合っていかなければなりません。
中でも「老後資金」は、働く世代にとって大きな悩みの種かと思います。
今は働いているから定期的な収入がありますが、リタイアした場合の資金繰りをどうすれば良いでしょう?収入がない分、相応の資金を確保する必要がございます。
「老後30年間でおよそ2000万円が不足する(老後2000万円問題)」と言われておりましたが、昨今では物価高騰を受けて、不足額は4000万円になる可能性が囁かれています。
国に頼れないなら、自分でなんとかするしかない――本コラムでは、複数回に分け、現行の年金制度の解説と共に「老後資金の形成にはどういった方法があるのか」を考えていきたいと思います。
1.公的年金制度とは?
公的年金制度は、20歳以上60歳未満のすべての方が加入する国民年金(基礎年金)と、会社員が加入する厚生年金保険の2階建て構造となっています。
現行の制度では、給付を受けられるのは、原則として65歳からです。
日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」より抜粋
(1)国民年金(基礎年金)
老齢基礎年金の受給額は、毎年物価の変動によって変わりますが、令和6年6月支給分からは月額68,000円が受給と公表されています。
ただし、この年金額は20歳から60歳まで年金保険料を全て納付した場合です。納付していなかった時期や、免除期間があった時は、その分減額支給されます。
(2)厚生年金
厚生年金の受給額は、給料の金額によって変わります。
多くの給料を貰っている方は、厚生年金の保険料を多く支払ってるので、老後はその分多くの年金が受給されるという仕組みです。
公的年金の受給額は、厚生労働省が「公的年金シミュレーター」を公開しておりますので、老後資金の参考に試算してみると良いかもしれません。
2.老後の生活をイメージしてみましょう!
さて、上記の画像は「公的年金シミュレーター」で、
・平成5年生まれ
・大学卒業後、会社勤務(22歳から65歳まで)
・年収400万円
で簡単に試算した結果です。
年間で約180万円が支給されると出てきました。
この試算結果を見て、いかがでしょうか?
「月に換算すると15万円かぁ、少ないなぁ」「退職時には住宅ローンを完済予定だから、家賃代は浮くだろうけどなぁ」「食費に●万円かかるとして、足りるかな?」…などご自身の生活によって考えることは様々かと思います。
そして、老後の生活を考えるにあたっては「働いていない自分を想像すること」も重要です。
働いている今は「休みの日にお金を使う」かもしれませんが、老後はその休みが毎日になるのです。
公的年金だけで、豊かな老後を想像するのは難しいでしょう。
故に、自分で老後の資金を作っていくことが大切なのです。
老後の資金形成の方法として、「NISA」「iDeCo」「生命保険」などがございます。
商品の特徴については、また次回お話できればと思います。
《参考資料》 令和6年5月15日確認
日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
https://www.nenkin.go.jp/service/seidozenpan/20140710.html
日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2024/202404/0401.html
厚生労働省「公的年金シミュレーター」
https://nenkin-shisan.mhlw.go.jp
2024年5月31日
著者紹介
- 経営プランニング部 ライフプラン・リスクマネジメント課
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