クリニック経営と変動金利上昇

弓削 貴裕

リスクマネジメント

2024年9月、三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクは今秋以降、住宅ローン金利の変動型を引き上げる見込みとニュースが流れました。 

変動金利を左右する「短期プライムレート」を約17年ぶりに引き上げ、住宅ローン金利を動かす準備が整ったということを示しています。 

これは単に住宅ローンに限った話ではありません。 

クリニックを開業・運営していく上で、銀行融資を避けて通ることは難しいです。 

現在多くの経営者(医者)が利用する金利が「変動金利」ですから、同じ影響を受けると考えられます。 

福岡の大手地銀もこの秋、「短期プライムレート」を上げるとのことで、事業融資もその対象になると見込まれます。 

1日でも早く借りた方が良い!というのも正解とは言えません。変動金利ですから、今後の金利上昇は避けられません。 

ではどうすれば良いのでしょうか。 

◎1つは変動金利の対にある「固定金利」を採用するということです。 

金利が固定されていますから、支払額が変わることはありません。しかし、金利が上昇傾向にある現在、固定金利も高い水準で提示されますので、現在の変動金利より遥かに高くなります。それでも安心が一番優先される場合は採用すべきでしょう。 

◎もう1つは、変動することを覚悟で変動金利を選ぶことです。現時点では固定金利よりははるかに安く、支払額も抑えられますから、手元の現金に余裕を持たせることができます。 

金利が上昇するリスクはありますが、固定金利までは距離があるので、そこまでは許容できる心の余裕を持ちたいです。 

そうは言うものの、金利の上昇は経営にプラスではありませんから、想定よりも早く返済する意欲は持つか、投資額を抑え、コンパクトな経営を心掛けることが重要だと考えられます。 

融資の相談や金融機関との交渉にも支援を行っておりますので、お気軽にご相談ください。 

2024年9月4日

著者紹介

弓削 貴裕
経営プランニング部 部長

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