「マッドマックス2」(1981年:オーストラリア)

森 𠮷隆

その他

私が初めて鑑賞したのは中学生の時。先日「午前十時の映画祭」で再公開、久し振りに映画館で鑑賞し、懐かしさと相まって堪能しました。

前作1作目は低予算ながら世界中でヒットしたカーアクション映画。それ迄洗練されたハリウッドのアクション映画ばかり観ていただけに、この豪州発の粗野でバイオレンス感溢れる描写は当時新鮮でした。

この2作目は、前作のトーンをガラリと変え、世界戦争により文明や秩序が崩壊、赤茶けた土の荒野で僅かな石油を人々が暴力的に奪い合う終末的世界観を全編に漂わせ、独自の雰囲気を醸し出しています。(このデストピア観は後のサブカルチャーにも大きく影響を与え、特に漫画「北斗の拳」の影響ぶりは余りにも有名)。

 物語の核は孤高のアウトロー、マックスVS野蛮な暴走族集団の、車やバイクを駆使した石油争奪戦という至ってシンプルなものですが、余計な人間ドラマや台詞を排し、徹頭徹尾アクション描写を連ねることで、展開にスピード感溢れ、当時はCGのなかった時代だけに、その肉感的なアクションは、今観るといい意味でアナログ的手作り感もあり、主人公マックス演じる当時若きメル・ギブソンのハードボイルドな魅力も含めて、活劇本来の楽しさが感じられます。

 それからその後3作目を経て、30年振り「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(2015年)が公開、これもアドレナリン爆発の大活劇。そして番外編として本年「マッドマックス:フュリオサ」も公開。シリーズ全編担当したジョージ・ミラー監督は現在79歳。この年齢でこんなパワフルでハイテンションな作品を作り続けるとは・・・凄い。

著者紹介

森 𠮷隆
人事コンサルティング部 労務コンサル課 シニアコンサルタント
(特定社会保険労務士)

「WOWOW映画王選手権」2001年、2002年本戦連続優勝、2011年本選準決勝進出、2013年本戦準々決勝進出。2012年「スカパー!映画クイズ選手権」本選優勝。映画検定1級(2014年は首席合格)。

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