令和7年8月から高額療養費の上限額が引き上げられます

長 幸美

医療介護あれこれ

厚生労働省は、医療費が高額になった患者の自己負担を一定額に抑える「高額療養費制度」について令和7年8月から上限額を引き上げる方針を固め、令和7年1月23日の第192回社会保障審議会医療保険部会で報告されました。今回は、変更点について少し整理しておきたいと思います。

出典:厚生労働省「第192回社会保障審議会医療保険部会_資料2(R7.1.23開催資料)」より

高額療養費制度とは

高額療養費制度は、高額な治療を受けた場合に患者の負担が重くならないよう、年齢や年収に応じて医療費の自己負担に月単位の上限額を設けているものです
ひと月に医療機関に支払った額が高額になった場合に、定められた上限額を超えて支払った額を払い戻す制度で、上限額は、個人や世帯の所得に応じて決められています。

今回の改定により、平均的な年収の区分であるおよそ370万円から770万円では、月単位で8100円引き上げられることになります。詳細な内容は、以下の通りです。

イメージ図を合せてみていきましょう。

こちらの図で説明されている通り、標準月額報酬に応じて、細分化され令和7年8月~、1年ごとに3段階に分けて少しずつ引き上げられていくようイメージされています。
また、低所得者世帯については、十分な配慮をすることとされています。
住民税非課税世帯については、引き上げ率を年金改定率と同じにすること、平均を下回る低所得層については、引き上げ率を緩和することが検討されています。

出典:厚生労働省「第192回社会保障審議会医療保険部会_資料2(R7.1.23開催資料)」より

今後、これらの仕組みがそれぞれの保険者から周知される文書が出てくるものと思われます。
まだ半年ほど先からの話ではありますが、基本的なところは押さえておきましょう!

<参考資料>  確認日令和7年1月25日

■厚生労働省/高額療養費制度の見直しについて(第192回社会保障審議会医療保険部会/R7.1.23開催
   ⇒「高額療養費制度の見直しについて

2025年1月29日

著者紹介

長 幸美
医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント

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