定期健康診断の運用について
河内 美穂
その他企業には法令に基づき、従業員の健康を保護するために健康診断を実施する義務があります。
主な健康診断の種類に以下のものがあります。
- 雇い入れ時の健康診断:新たに雇用された従業員に対して行われます。主な項目には、既往歴や業務歴の調査、自覚症状の有無、身長・体重の測定、視力検査、聴力検査、胸部エックス線検査、血圧測定、血液検査(肝機能、血中脂質、血糖、貧血)、尿検査、心電図検査があります。
- 定期健康診断:常時使用する従業員に対して、1年に1回以上の健康診断が義務付けられています。これには雇い入れ時の検査項目とほぼ同じ項目が含まれます。※1
- 特定業務従事者の健康診断:特定の有害業務従事者に対しては、6ヶ月ごとに健康診断が必要です。
※1定期健康診断については、健康診断項目については、それぞれの基準に基づき、医師が必要でないと認めるときは省略することができます。
弊社も毎年、定期健康診断を実施しておりますが、3年に1度、「一般健診」ではなく「人間ドック」を実施しています。
きっかけは、「社員には健康でいてほしい」という社長の思いから始めた取り組みで、職員からは、「自ら予約して受診することがないので嬉しい」、「自身の健康状態を考えるきっかけになる」、「自費で受けるには高額なので助かる」と好評です。
一方で、健康診断を実施する場合、「費用負担」「健診時間の取扱い」「社内手続き」など、どのように進めるかがポイントになってきます。
弊社は年によって検査項目が「一般健診」と「人間ドック」に分かれるため、運用方法も細かく定めています。
ここからは当社の具体的な運用の一端をご紹介します。
■費用負担
一般健診・人間ドックに関わらず、会社が指定した検査項目であれば会社負担としております。ただし、「婦人科検診」や「胃カメラ」などのオプションについては個人負担です。
■健診時間の取扱い
「一般健診」であれば受診にかかる時間は業務時間として取り扱っています。指定の医療機関が会社から徒歩圏内なので、移動を含めても1時間程度で終わることが理由です。
「人間ドック」については検査が2~3時間かかることや、検査項目によっては絶食や麻酔等、身体にも負担がかかりますので有休または欠勤での受診としております。
■会社指定外の医療機関で受診する場合
「かかりつけの病院で受診をしたい」と職員から申し出を受けることもあります。
会社指定の医療機関であれば、予約・支払い等の手続きは全て会社が行いますが、会社指定外での受診については、全て本人による手続としております。(費用については、会社負担です。)
また、健診時間の取り扱いについては「一般健診」であっても有休または欠勤での受診としております。
以上になります。
皆様におかれましても、従業員の健康増進と福利厚生の充実を兼ね備えた企業健診のあり方をご検討されてはいかがでしょうか。
厚生労働省「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう」20250124
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000103900.pdf
著者紹介
- 総務部 総務課
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